あなたが目を覚ますと、見知らぬ天井が広がっていた。
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31: ◆ALICE6.PAk[saga]
2018/03/08(木) 23:02:10.95 ID:SLggp9pA0
>>28
 あなたはリィンとの会話を頭の片隅に追いやりながら、小脇に抱えていた手記を開く。
 擦り切れた頁はカンテラの灯りによってぼんやりと照らされ、そこに書かれた文字を浮き上がらせる。
 それは手書きで数頁に渡って書き綴られたものだ。
 書かれている文字自体はあなたが普段見慣れない直線的なもので、あなたの右上腕に書かれているものにどこか似ている。
 ただそれらは手記の書き手によって書き崩され、本来の形を失っているように見える。
 誰かに見せるためのものではなく、自身だけが見返す事を前提として書かれている文字だ。
 当然、あなたはこれを解読することはできない。

「……? なにそれ」
 不意に、リィンが言葉を止めて呟いた。
 あなたの興味が彼女から手記に移ったことを察したようだ。気分を害した様子はない。
 ただあなたの顔の横に浮かんだまま、あなたが開いたままの手記に顔を覗かせる。
「古代文字? しかもすっごく書き崩されてる」
「古代文字ってことは少なくとも1500年は昔のものの筈だけど、その割には凄く綺麗だね」
 呟きながら、リィンは人差し指を頤に当てて文字を眺めている。
 どうやら、なんとか読める箇所を探しているようだ。
 やや暫くの間を置いて、彼女が指さしたのは手記の一節である。
 それは長々と綴られた手記の、最後の頁に書かれたものだ。
 他の速度重視の崩された文字と違い、そこだけは力強く、どこか意志を感じられる。
 書かれた文字は次のようなものだ。
ttps://pbs.twimg.com/media/DXxRvKSVQAAoPd6.jpg

「……これら? できない……いや、する方法はない、かな。救う、助ける……」
「救う方法は無かった、かな」
「最後の二文字は、人名みたいに見えるよ。そのまま音にすれば、アイ」
 彼女がそう言って解読しているのは、指さされた手記の一行目のようだ。
「二行目は判らないや……ちょっと表現が使われてるのかな」
「ごめんなさい……? 私の……対して? んん?」
 眉尻を困惑に歪めたまま、どうにか解読できないかと考えているらしい。
 ただ、このままどれだけ待っても、もうこれ以上の解読を彼女に求めることは難しそうだ。


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