ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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207: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2018/10/28(日) 01:22:13.92 ID:Lzi1S3z20
………

運転手「車に乗っていると気が付きませんが…この辺りはずいぶん嫌な臭いがしますね」

アタッシェ「そうかもな……」

…港町特有の魚臭さに蒸気船の煙の臭い、それと古くなった料理油のむかつくような臭いが混じり合った薄汚い通り…石畳がすり減っている道には魚の頭や骨が無造作に捨ててあり、昼間だと言うのにネズミがちょろちょろしている…

運転手「…やれやれ、汚いなぁ」

アタッシェ「文句言うなよ…足元に気をつけんと、腐った魚を踏みつけるぞ?」

運転手「うわ…本当ですね」

アタッシェ「とにかく、あと数区画の辛抱さ」

ドロシー「……来たな」いかにも貧民街の住人らしく見えるぼろを着て、裏路地から家の窓に映るアタッシェの姿を確認する…

運転手「…それにしても、防諜部の車はどこなんでしょう」

アタッシェ「心配するな、もうそこがさっきの表通りだ…」そう言った矢先に角の路地から一人の女が飛び出してきて、アタッシェを地面に突きとばすと鞄をひったくった…

アタッシェ「う…くそっ!」

運転手「大丈夫ですか!」…地面に突き倒されたアタッシェを助け起こそうとする運転手

アタッシェ「う、ぐぅ…こっちはいい、早く女を追えっ!」

運転手「は、はいっ!」ぎこちなく3インチ銃身のウェブリーを構えると駆けだした…

…裏通りの角…

アンジェ「モノは?」

ドロシー「ああ、ばっちりだ…さ、開けちまおう」

アンジェ「ええ」…ただのひったくりらしくみせるために鞄をナイフで切り裂くと、手際よく中の書類をあらためる…

ドロシー「あった、こいつだ…まったく手間をかけさせやがって」

アンジェ「じゃあこれは私が」入手したリストを小さく折りたたんで、コルセットの内側に挟みこむ…

ドロシー「任せた…後は偽装だな」

…作戦を立案したコントロールは「スパイならどんな情報でも欲しがるもの」という考えを逆手に取った偽装工作を練り上げていて、王国側が鞄をひったくったのが「エージェントではなくただの物盗りだった」と思い込むよう、必要な数枚以外の書類は地面に散らかして捨て置くように指示していた……ドロシーはさっと目を通して内容を暗記すると、指示通り道に書類をぶちまけた…

ドロシー「…これでよし、と」石畳の道を走る靴音を聞きつけると、さっと裏通りの陰に消えた…

運転手「ぜぇ、はぁ……あっ!」

アタッシェ「はっ、はっ、はぁ…くそ、鞄が!」

運転手「はぁ、はぁ…でも中身こそぶちまけられていますが、ほとんど無事のようですよ?」

アタッシェ「ひったくられたこと自体が大失態だ……とにかく散らばったのを集めよう」

運転手「はい」

………



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