ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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508: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/02/09(火) 02:47:14.36 ID:gsmGL95V0
…閲兵式・数日前…

公安部員「…ノルマンディ公、当日の警備体制の資料をお持ちしました」

ノルマンディ公「ご苦労…市内の様子はどうだ?」

部員「はっ、すでにお召し馬車の経路沿いは我々公安部、スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)…それに防諜部と陸軍が警戒に当たっております」

ノルマンディ公「ふむ……」(しかし女王の護衛を担当する組織が多すぎるな…しかも縦割りの官僚主義で、連携はつぎはぎだらけときたものだ……)

部員「あの、何か…?」

ノルマンディ公「いや、結構だ…下がりたまえ」

部員「はっ…!」公安部の切れ者たちでさえ目の前にすると恐ろしく感じるノルマンディ公に「何か言われるのでは」と内心ヒヤヒヤしていたが、何も聞かれなかったことにほっとして部屋を出て行こうとした……

ノルマンディ公「…待て」

部員「は、はい…!」

ノルマンディ公「一つ聞きたい……この部分の警戒はどこの組織が担当しているのだ?」ロンドンの地図上に引かれた何色もの線…その重なった部分を指さした…

部員「はっ、そこは……」

ノルマンディ公「……地図上では線一本だが、実際には一部屋ほどの幅があるぞ。その「隙間」に共和国の連中が潜り込んでいたらどうする気だ」

部員「申し訳ありません、直ちに確認を取ります…!」

ノルマンディ公「そうしろ……それから下水道の蓋には封印をし、地下の柵には鍵をかけたな?」

部員「はい、指示通りに実施しております」

ノルマンディ公「分かった。では先ほどの警戒区域の割り振りを確認し、完了次第報告しろ」

部員「承知しました…!」

ノルマンディ公「…」(我々も王族を失うわけにはいかない…とはいえ、ここで共和国の連中が「直接行動」に出てくるとなれば、連中を一網打尽にできる……場合によっては王族に連なる何人かの損失も許容しうるな……)

…一方・在ロンドン「アルビオン共和国大使館」の一室…

7「L、情報が入っております」

L「うむ…エージェント「D」および「A」は連中を上手く引っ張り出すことに成功したな……」

7「ええ」

L「あとはこのまま直前まで「芝居」を続けるだけだ…警備状況はどうだ?」

7「はい……すでに街角にはロンドン警視庁の制服および「スペシャル・ブランチ」の私服、サマーセット連隊および「カウンティ・オブ・ロンドン・ヨーマンリー」の軽歩兵一個大隊が展開しており、それに防諜部、公安部も警戒しております」

(※ヨーマンリー…義勇農民軍。もとは正規軍の派遣に伴い本土の兵力が減少したことから、自作農など多少「市民としての地位を得ている」人々を集めて設けた内務省主管の義勇軍であったが、後に改組されて陸軍に組み込まれた)

L「ふむ、あちこちの組織から見ず知らずの人間が集まっているというわけか……好都合だな」

7「まさに「人を隠すには人」というわけですね?」

L「いかにも……」

…閲兵式・前日…

見回りの歩兵「おい、止まれ」

ドロシー「なんだい?」

歩兵「身分検査だ……住まいはこの近くか?」

ドロシー「ええ、この先の24番地にある下宿の屋根裏部屋さ」

歩兵B「その荷物は?」

ドロシー「見ての通り食べ物さね…」パンやチーズ、それに毛をむしった丸々としたアヒルを抱えている…

歩兵「どれ……ほう、立派なアヒルじゃないか」

ドロシー「うちの雇い主が珍しく慈悲深いところを見せてくれたもんだからね…ちょいと奮発したってわけさ♪」

歩兵B「それにしてもうまそうなアヒルだな……もし焼いたらおれたちにも分けてほしいもんだ」

ドロシー「ちゃんとその分の「おあし(お金)」を払ってくれるならね…そのときはこんがり焼いてクランベリーソースをかけて持ってきてあげるよ?」

歩兵「おれはリンゴソースの方がいいな……まぁいい、行っていいぞ」

ドロシー「はいよ」中に紙袋でくるんだウェブリー・スコット・リボルバーを詰めたアヒルを抱え、普段通りの歩調で立ち去った…


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