ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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528: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/04/17(土) 01:34:53.63 ID:jJ3C4nHZ0
…数日後・イーストエンド…

ドロシー「さて、ここだ」

ベアトリス「イーストエンド、ですか…あまり治安のいい場所じゃありませんよね」

アンジェ「そうね。切り裂きジャックの事件が起きたのもこの辺りだし、お世辞にも上品な地域とは言えない」

ドロシー「しかしそういう場所の裏通りにこそ思わぬ「お宝」が転がっているもんさ」

ちせ「…とはいえ、こんな所に王国情報部の関係者が潜んでおるのか」

ドロシー「おそらくはな。まぁ、それをお前さんたちに確かめてもらうわけだが」

アンジェ「すでに店にはカットアウトを通して繋ぎをつけてあるから、すぐ契約してくれるわ」

ちせ「一体どんな「店」なのやら…」

ドロシー「まぁ、イーストエンドでコソコソやっている店ってことは……そういうことさ。なにせ世の「貴族様」はそういう不道徳なことはしない建前になっているからな。そういう遊びがしたい時はそう言う店までこっそりおいでになるんだ」

ちせ「なるほど……倫敦(ロンドン)に表と裏の顔があるとするなら、さしずめそれは「裏」の方じゃな」

アンジェ「そうね」

…とある通り…

ベアトリス「あれがそうですか…」

ドロシー「ああ、そうだ」二つばかり離れた街区からそっと問題の店を示した…


…薄汚れたイーストエンドの通りに建っている一軒の建物は特にこれといった看板などもなく、煤煙やボイラーの蒸気で霞んだ日差しを浴びて静まりかえっている……周囲には輸入品の宣伝をする張り紙や壊れた木箱などが散らかっていて、ホンコンやマカオといった極東の雰囲気をかもし出す漢字の看板などもいくつか見える…


ちせ「ふむ…見た目はなんの変わり映えもせぬが、どうにも妙な空気を感じるのう……」

ドロシー「へぇ、さすがはちせだ…鋭いな」

ベアトリス「……それで、私とちせさんで教えてもらった通りに挨拶すればいいんですね?」

アンジェ「基本はそうね。けれど一言一句「教えた通り」ではだめよ」

ドロシー「もしかしたら向こうで何か探りを入れてくるかもしれないからな……カバー(偽装の身分)から逸脱しないように気をつけながら、上手く話をすりあわせろ」

ベアトリス「はい」

アンジェ「それと私たちも後方支援はするけれど、あまり足しげくこの場所に来るわけにもいかない…定時連絡の時は私かドロシーのどちらかが顔を見せるけれど、もし緊急事態に陥ったら事前に説明した手はずに従い、私たちが到着するまではちせと二人で切り抜けること」

ベアトリス「分かりました」

…建物の裏…

ベアトリス「それじゃあ、行きますよ…?」

ちせ「うむ」

…扉についているドアノッカーを数回叩くと、一人のおばさんが顔を出した…化粧の厚い、白髪交じりの黒髪と黒目をしているおばさんは清国の「袍」を意識した中華風のデイドレス姿で、手には羽の扇を持っている…

おばさん「…なんだい?」

ベアトリス「えぇ…と、実は私たち「ローダンセ」から紹介されて……」

おばさん「あぁ、あんたたちかい…話は聞いているよ。さ、とっとと中に入りな……ホコリが吹き込んできて仕方ないじゃないか」

ベアトリス「は、はい」




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