ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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537: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/05/24(月) 02:18:37.55 ID:wn+nR+9u0
…数日後・マダムの部屋…

チョウおばさん「ふぅぅ…それで「話」っていうのはなんだい?」煙管をくゆらせながら、脚を組んで座っているチョウおばさん…

ベアトリス「えぇと……その…」

チョウおばさん「ええい、まどろっこしいね! 言いたいことがあるならとっとと言ったらどうなんだい?」

ちせ「…もうよい、ここは私が……」

ベアトリス「す、済みません……///」

チョウおばさん「どっちだって構わないから早くしな…この調子じゃあ日付が変わっちまうよ」

ちせ「では、単刀直入に…ミス・チョウ、お店で拾ってくれた事には感謝しておりますが……実は私たち二人、そろそろお暇をいただこうと思っております」

チョウおばさん「……何だって? ここを出て行くって言うのかい?」

ちせ「はい」

チョウおばさん「ふん、まぁ言うのは勝手だよ…だが「契約」の事は知っているだろうね?」

ちせ「無論です……契約には「違約金」を払えばいつでも辞めることが出来るとありますが、そのお金も用意してあります」

チョウおばさん「ほほう…他の小娘どもと違って服だの遊びだのに使わないで、爪に火をともして貯めたっていうのかい……なるほど、そのやりくりの上手さだけは大したもんだ」

ちせ「…いかようにでも取っていただいて結構ですが、とにかく両耳揃えて払う準備は出来ています」

チョウおばさん「ふん、いっぱしの口を利くじゃないか…だが小娘二人、頼る先もなくここを出て行って、このロンドンで生計(たつき)の道を立てるアテがあるのかい?」

ちせ「…いざとなれば街角の物売りだろうがゴミ漁りだろうが何でも……彼女と二人なら耐える自信があります」

ベアトリス「…わ、私もです///」

チョウおばさん「ふんっ「パンと恋さえあれば生きていける」って訳かい? …三文芝居じゃあるまいし」

ちせ「ですが、すでに二人で決めたこと…どうかお留めなさいますな」

…煙管に豪奢なチャイナ風ドレスをまとい、脚を組んで椅子にふんぞり返っている様子がまるで中国の武侠ものの「大姐(姐さん)」を絵に描いたようなチョウおばさん…そんなチョウおばさんとやり合っていると、ついつられて芝居じみた口調になってくる…

チョウおばさん「誰が止めるものかい、馬鹿馬鹿しい……だが、やっと馴染んできた矢先にここを出て行っちまって、ようやっとお前たちにつきはじめた上客はどうするのさ?」

ちせ「それについては重々申し訳ありませぬが、しかしそれは身どものあずかり知らぬ事……」

…ちせとベアトリスはそうしたサロンの裏事情にも詳しいドロシーたちから「入れ知恵」されているので、チョウおばさんが渋っているのはあくまでも二人をぐらつかせようとする芝居だと知っていた……

チョウおばさん「後はご勝手に…ってかい? それじゃあ義理が立たないってもんだよ……違うかい?」そう言ってちせに煙管を突きつける…

ちせ「…しかし、私とエイミーが抜ければその分エリカたちにお鉢が回り、彼女もより多くのご婦人をお客に取れるというもの」

ベアトリス「わ、私もそう思います…」

チョウおばさん「ない知恵を絞るのはやめな。 ……しかし、どうしてもっていうなら考えてやらんでもない」

ベアトリス「本当ですか…っ?」

チョウおばさん「浮かれるんじゃないよ。 ま、こっちとしても「出て行きたい」って言うのを無理に引き留めておいても、ぶすったくれるわ、ささくれだって娘っ子同士で喧嘩はするわ、客への態度は悪くなるわと、ろくな事がない……しかしそうなると後釜の事だの何だのを考える必要があるわけだ……そうだね、土曜日までには返事をしてやるつもりだが…それでいいね?」

ちせ「はい」

チョウおばさん「分かった。じゃあそれまでは今まで通りに客の相手をするんだよ…いいね?」

ベアトリス「はい…っ!」

ちせ「…かたじけない」

チョウおばさん「ふんっ。せっかくしきたりだの行儀だのを教えてやった矢先にこれじゃあ、教えてやった甲斐がないってもんだ……いまいましいからとっとと出ていきな」

ちせ「では、失礼いたす……」丁寧に礼をして部屋を出た…

ベアトリス「……ふー、一時はどうなるかと思いました…でも、やりましたね♪」

ちせ「うむ…っと、済まぬ…!」

ベアトリス「えっ…んくっ!?」

ちせ「んちゅぅ…♪」

ベアトリス「ぷはっ! い、いきなり何を……!?」

ちせ「しーっ……もしやしたらミス・チョウが聞き耳を立てていたりするかもしれぬ…とあれば、晴れて自由になれる二人らしくせねばまずいじゃろう……」

ベアトリス「…確かに……でもちょっと驚きました///」

ちせ「うむ、それは私も同じじゃ…顔が火照って仕方ない……///」


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