ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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536: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/05/21(金) 01:51:18.94 ID:iBCGnGEl0
…さらに数日後…

ちせ「ふぅ…くたびれたの」

ベアトリス「お疲れ様です、いま紅茶を注ぎますね」

勝ち気な娘「あ、だったらあたしにも一杯ちょうだいよ」

ベアトリス「いいですよ。はい、どうぞ」

勝ち気な娘「ありがとね……それにしても、二人ともだいぶここの暮らしに慣れたんじゃない?」

ベアトリス「そうでしょうか?」

年かさの娘「ああ、ここに来たときに比べればずいぶんと手慣れたもんだよ……特にエイミーなんて一事が万事おっかなびっくりだったのに、今じゃあメイドの立ち居振る舞いを身体で覚えているみたい」キモノの前をだらしなくはだけ、ティーカップのふちを持って酒をあおるような格好でぬるめのミルクティーをすすった…

ベアトリス「ありがとうございます…」

勝ち気な娘「ところでさ、この間の生意気な伯爵令嬢がとうとう「貴賓室」を使えるようになったらしいよ」

年かさの娘「えぇ? …伯爵令嬢って言うと、あのこまっしゃくれたロール髪の?」

勝ち気な娘「それそれ。何でも結構な額を積んだらしいって話だけど…」

年かさの娘「……あんなのをお得意様扱いしなくちゃいけないと思うといやんなっちゃうねぇ」

勝ち気な娘「ね…まぁ、マダムは上得意の「六番街」が増えてほくほく顔だろうけど」

ベアトリス「六番街?」

年かさの娘「あぁ、エイミーは知らなかったか……この店には上客のための裏口があってさ、その出口が「ピーボディ・ストリ−ト六番街」につながっているんだ」

ベアトリス「へぇ、そうなんですか」

勝ち気な娘「そうさ。まさかお偉い貴族やお金持ちがこんな場所に来るわけにもいかないからね、そういう時は六番街の裏口から地下を通ってこっそりおいでになる…ってわけ♪」

ベアトリス「お忍びでこっそり来ないといけないなんて、偉い人も大変なんですねぇ……」

年かさの娘「あはははっ、そんなにしみじみと言うことかい?」

可愛い娘「エイミー、可愛いネ」

ベアトリス「も、もう…止めて下さいってば///」

…翌日…

ドロシー「……ピーボディ・ストリート六番街だな…なるほど」

ベアトリス「はい。少なくとも店のお姉さんたちはそう言っていました」

ドロシー「分かった。そこまで分かれば後はたやすい……その近所に張って、場末の街角には不釣り合いな乗り物や人を観察すればいいだけだからな。とにかくそいつはコントロールに報告しておく」

ベアトリス「お願いします…それから前回の報告から今日までにお店で見かけた「お得意さま」ですが……」暗記した貴族や資本家、議会関係者の名前を思い出しながらあげていく…

ドロシー「へぇ、ずいぶんと有力者が多いんだな……そいつも役に立つ」

ベアトリス「ええ、そうですね」

ドロシー「…ところでベアトリス、お前さんたちにいい知らせがある」

ベアトリス「何でしょうか?」

ドロシー「ああ、実はコントロールから指令が来た…「来たる10日を持って任務を完了、こちらの指示に従い後処理を施して離脱せよ」だそうだ」

ベアトリス「……つまり任務終了、ですか?」

ドロシー「そういうことだ。コントロールとしてはある程度の情報を手に入れる事が出来たし、何よりあの店と王国情報部につながりがある事が裏付けられたからな……つなぎ役の名前も分かったし、後は他のエージェントでもどうにかなる。となると、これ以上お前さんたちを店に長居させておく必要はないし、だらだらと続けて「チェンジリング」に影響するとまずい」

ベアトリス「なるほど…」

ドロシー「不服か?」

ベアトリス「いいえ、それを聞いてむしろほっとしています」

ドロシー「ならいいがな……てっきり煙管で「粉」をふかして、ぼんやり気分でどっかの男爵夫人だの子爵令嬢だのといちゃつくのが気に入ったかと思ったよ♪」

ベアトリス「そんなわけないじゃないですか…まったくもう」

ドロシー「そうか? …ま、残り少ないとはいえ油断は禁物だ。ちせにもよろしく言っておいてくれ」

ベアトリス「分かりました」


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