ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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564: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/08/24(火) 01:50:21.63 ID:rJmTyEgW0
…数時間後・部室…

ドロシー「…よう、アンジェ」

アンジェ「ドロシー、戻ってきていたのね」

ドロシー「ああ…ついさっきな」

アンジェ「その様子だと上手くいったようね」

ドロシー「当然さ……♪」黒マントにドレスの洒落た姿には似つかわしくないだらしのない姿勢で座り、テーブルの上には仮面舞踏会で使うようなヴェルヴェットの仮面が放り出してある…仮面のかたわらにはブランデーの瓶が置いてあって、その隣のカットグラスには琥珀色をした液体が親指の幅ほど注いである…

アンジェ「そう…それを聞いて安心したわ」

ドロシー「おやおや、ずいぶんと信用がないんだな?」

アンジェ「別にそういうわけじゃないけれど……ところで」

ドロシー「ん?」

アンジェ「実は貴女が戻ってくる前にちょっとしたことがあって……」年下好きの貴族令嬢にちせが媚薬を盛られた顛末を説明した…

ドロシー「ほーん……それじゃあさっきまでちせの相手をしてやってたのか」

アンジェ「ええ…すっかり出来上がっていたから私がどうこうするほどのものでもなかったけれど……」

ドロシー「まぁ、お疲れだったな……それで?」

アンジェ「…何が」

ドロシー「とぼけるのはよせよ…要は「お味はいかがでしたか?」ってことさ♪」

アンジェ「そういうことを他人(ひと)に話すような趣味はないの」

ドロシー「はは、冗談さ……しかしそうなるとあのお嬢様につけた「ファイアフライ(ホタル)」ってコードネームは変えた方がいいかもしれないな。あれはファイアフライよりもっとタチが悪い」

(※ホタル…欧米では日本のような「はかなく光る」イメージよりも、獰猛な肉食昆虫である幼虫のイメージが強いとされる)

アンジェ「何か候補が?」

ドロシー「そうだな…例えば「スパイダー(蜘蛛)」とか」

アンジェ「悪くないわね…」

ドロシー「あとは「マンティス(カマキリ)」でもいいかもしれないな……どっちも交わった相手のことを食っちまうって言うし、しとやかなふりをして寄宿舎の可愛い娘たちを食い散らかしているメイナードのお嬢様にはぴったりだぜ?」

アンジェ「そうね」

ドロシー「だろ? ところでアンジェ、今日は一日歩き詰めだったはずだが…ハロウィーンの菓子はもらえたか?」

アンジェ「…仮装をしているのにカゴに何にも入っていなかったらおかしいし、焼き菓子の数個は用意しておいたけれど……もらえていなかったらどうなの?」

ドロシー「さあな。まぁ「トリック・オア・トリート」って言ってみれば分かるだろうよ」

アンジェ「ふう…どうせ貴女の事だから、私が言うまでやいのやいのとせっつくんでしょう……トリック・オア・トリート」

ドロシー「おめでとう、よく言えました…そらよ♪」

アンジェ「……これは?」リボンのかかった紙袋を受け取るとリボンをほどき、包みを開けた…中には上手に出来ている手作りとおぼしき半ダースあまりのクッキーと、数切れのパウンドケーキが入っている…

ドロシー「クッキーとパウンドケーキさ」

アンジェ「そんなことくらい見れば分かるわ…で?」

ドロシー「今日は妙に鈍いじゃないか……まだ分からないか?」

アンジェ「……ドロシー、もしかして…これ///」よく見ると菓子の出来に見覚えがある…

ドロシー「ああ、もしかしなくてもそうさ」

アンジェ「だとしたら、一体どうして貴女が…?」

ドロシー「お前さんがなかなかやって来なかったから、代わりに渡すよう頼まれたのさ……それと、クッキーだけじゃなくて伝言もひとつある……誰からのメッセージかは言わないが「お菓子はあげたけれど、いたずらもして欲しいからお部屋で待っています…♪」だそうだ」

アンジェ「ええ、分かった…///」

ドロシー「やれやれ、これでようやく私もベッドに行けるってわけだ……それじゃあハロウィーンの夜を楽しんでくれ♪」残っていたブランデーを流し込んでグラスと瓶を隠しスペースにしまい込むと、手をひらひらと振って出て行った…

アンジェ「お休みなさい…」ドロシーを見送ると、クッキーをひとつ手に取って口へ運んだ…

アンジェ「……美味しい///」

………

…


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