ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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575: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/09/26(日) 01:43:21.61 ID:dBec+Ixp0
…case・アンジェ×プリンセス×ベアトリス「The Thirteens apostle」(十三番目の使徒)…

…とある日…

ドロシー「さて…と、今回の任務を説明しよう」勢揃いしている「白鳩」の面々を見回すと、紅茶を一口すすってから話し始めた…

アンジェ「お願いね」

ドロシー「ああ…詳しい内容は省略させてもらうが、以前アンジェと私が任務中にかち合った教皇庁からの工作員について調べがついたとコントロールから連絡があった」

ちせ「教皇庁?」

ドロシー「ああ、ローマ・カトリックの総本山…いわゆるバチカンだな」

プリンセス「その教皇庁のスパイがどうしてここ、アルビオン王国に?」

ドロシー「理由は簡単さ。アルビオンには世界を制する力の源「ケイバーライト」があり、そしていま王国は揺れている」

アンジェ「ドロシーの言うとおり…すでに幾度も聞かされているとは思うけれど、王国には様々な勢力が乱立している……」

アンジェ「…例えば、綿々と続いてきた王国の歴史を守らんとする保守派と、新しい力である共和国に対抗するためには自分たちも変わらなければならないと考える革新派…それからアルビオン国教会とそれに対抗する親フランスのカトリック教徒、王党派に共和派、王制に不満を募らせている労働者階級や植民地出身者、アイルランドやウェールズ、スコットランドの独立主義者……挙げだしたらキリがないわ」

プリンセス「そうね」

ドロシー「…それだけじゃない。女王の後継者を誰にするかで、それぞれの利益や損得からいくつもの派閥が出来ている……つまり王室でさえも一枚岩とは言えない」

プリンセス「ええ……そのことはわたくしもひしひしと感じているわ」

…日頃から王室に渦巻く謀略や醜い権力争いを見てきているプリンセスだけに、その声には疲れとかすかなあきらめが混じった苦い響きが沁みだしている…

ベアトリス「姫様…」

ドロシー「あー……つまり、今やアルビオンはスプーンでひっかき回した巨大なベイクドビーンズ(煮豆)みたいなもんで、どこもかしこもぐちゃぐちゃ…まさしくスパイが必要とされる舞台が整っているってわけだ」

アンジェ「そしてその「プレイヤー」の一つが教皇庁ということね」

ドロシー「その通り……コントロールからの連絡によると、先日フランスを経由してイタリアから数人のコーチビルダーが王国に入国した」

(※コーチビルダー…馬車架装者。自動車の登場以前は文字通り馬車の制作を行っていたが、自動車の時代になると客がメーカーから購入したシャーシに特製の胴体や内装などの架装を施すようになった。イタリア語の「カロッツェリア」としても知られる)

プリンセス「コーチビルダー、ですか」

ドロシー「ああ…イタリア人ってやつはそういう職人が多いからな。 ところが足取りに不審な点があって、よく調べたらそいつらがバチカンからのお客様だって事が分かった」

アンジェ「嘘か本当かは分からないけれど、ローマ教皇庁のどこかの組織には本来は存在しないはずの「第十三課」があると言われていて、そこに所属している神父や司祭、修道士が諜報活動を行っているとまことしやかに言われているわ」

ドロシー「とは言えあくまでも噂だし、真相を知っているやつはそいつらの一員か死人だけだからな…身内の連中はしゃべるわけはないし、死人はしゃべれない…真相は謎のままさ」

アンジェ「いずれにせよ、その連中がアルビオン入りした」

プリンセス「目的は?」

ドロシー「それが分からないんだ。いくら連中がしつこいからって、まさか私とアンジェに手下をやられた復讐をしに来た…とも思えないしな」

アンジェ「まずはその目的を探り出すこと……今回の任務はそれが当初の目標となるわ」

ドロシー「コントロールからも定期的に連中の動向を連絡してもらう予定だ…とりあえず今は分かっている情報をつなぎ合わせることから始めよう」

プリンセス「ええ、そうしましょう」

ベアトリス「分かりました」

ちせ「うむ」

………

…同じ頃・内務卿の執務室…

ノルマンディ公「…ふむ、バチカンからの訪問客か……遠路はるばるご丁寧なことだ」

ガゼル「はい、すでに四人は入国したことが確認されております」

ノルマンディ公「普段フランスやスペインをけしかけている「人形つかい」がとうとうこらえきれなくなって出てきたか……この機会に連中の情報網を調べ上げるのも良いかもしれんな。ガゼル」

ガゼル「はっ」

ノルマンディ公「すぐに車の支度を…それと防諜部や警察のスペシャル・ブランチ(公安部)のような「素人(アマチュア)」に鼻を突っ込まれないよう、部内の機密保持は徹底させろ」

ガゼル「承知しました」

ノルマンディ公「さて、次はどう来るかな……」コーヒーテーブルの上にあるチェス盤をちらりと横目で眺め、黒い駒を一つ動かした…


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