ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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601: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2022/03/22(火) 00:37:40.71 ID:0pKUnlEE0
情報屋「ああ。だがな……こういうやり口は気に入らねえ。お互いに「取引」をする以上、ふざけた真似はしねえもんだ」

アンジェ「……それで?」

情報屋「悪いが、あんたのこのちょっとした「ご挨拶」の分として、値段に色を付けさせてもらうぜ」

アンジェ「それで、いくら上乗せするつもり?」

情報屋「まぁ、五十ポンドってえ所だな……嫌なら手ぶらで帰ってくれたっていいんだぜ?」

…集めていたちんぴらはすでに帰ってしまった後だったが、用心棒が水平二連の散弾銃を抱えてのっそりと現れた…

アンジェ「なるほど……なかなか用心がいいようね」

情報屋「そうでないと世渡りが難しいもんでな……で、答えを聞こうじゃあねえか」

アンジェ「……これでは払うより仕方がないようね」ひと悶着あるかと思いきや、肩をすくめてあっさりと認め、長いマントの内側からポンド札を取り出した……

情報屋「なるほど、きっちり五十ある。それじゃあこいつを……」手早く札を内ポケットにねじ込むと、何の変哲もない一枚の紙を滑らせた……

アンジェ「確かに」さっと内容を読み通し、紙をしまい込む……

情報屋「それじゃあお帰りいただこうじゃねえか……まぁ、なんだ。 お互いに行き違いがあったとは言え「終わりよければ全て良し」ってもんだ、そうだろう?」両手を広げるようにして「してやったり」というような顔をしている……用心棒も散弾銃の銃口を少し下げ、緊張を緩めた……

アンジェ「そうね、それに対する私の考えだけれど……残念ながら「ノン」よ」

…合図のフランス語を言うよりも早くナイフを抜き、ふところに飛び込むようにして下から情報屋の胸元に突き立てる……同時にちせは身体を屈め、椅子を蹴り倒すようにして反転すると、抜き打ちで用心棒を切り捨てた…

情報屋「ぐ……っ!」

用心棒「がは……っ!」

アンジェ「……片付いたわ」

ちせ「こちらも……書類はどうじゃ?」

アンジェ「どうやら求めていた物で間違いなさそうよ」

ちせ「さようか。 して「後片付け」はどうする?」

アンジェ「そうね……今夜は冷えるし、ここには暖炉がある。それにしてもこんな火のそばにコートを掛けたりして、火の用心が足りていないように見えるわね」

ちせ「なるほど」

アンジェ「ええ……」

…数日後…

ドロシー「ここ数日そっちを手伝えなくて悪かったな……で、どうだった?」

アンジェ「大丈夫よ、こっちも片付いた」

ドロシー「だろうな、新聞記事を読んだよ……まったく火事ってのはおっかないもんだよな」

アンジェ「そうね」

ドロシー「それで、肝心の情報は?」

アンジェ「……これよ」

ドロシー「なんだ、わざわざ私に見せるために取っておいたのか? 内容を暗記したならとっとと焼き捨てちまえば良かったのに……」 

アンジェ「そう言わないで、とにかく見てちょうだい」

ドロシー「ああ、そうさせてもらおうかな……どれどれ……なるほど、こいつは大した情報だよ♪」苦労をして手に入れた王国情報部の書類には、音楽院で共和国に親近感を示す「注意すべき人物」のリストが書かれているだけだった……

アンジェ「全くね」内容を読み終えたドロシーが書類を返すと、肩をすくめて暖炉に書類を放り込んできっちり灰になるまで焼き捨てた……

ドロシー「……それで、王国情報部の監視はあったか?」

アンジェ「確認した限りではなし」

ドロシー「ということはその情報屋、餌として使われたわけでもないんだな」

アンジェ「ええ……おそらくは商売のやり方が汚いから、情報部に見捨てられたのではないかしら」

ドロシー「後ろ盾が無くなった以上、あとは誰に消されるのも時間の問題だった……ってわけか」

アンジェ「きっとそうでしょうね」

ドロシー「……欲張りは長生き出来ないってことだな」

アンジェ「ええ、そういうことよ……だからそのクッキーを取るのは止めておくことね」菓子皿に載っているクッキーを取ろうとするドロシーに、とがめるような視線を向けるアンジェ……

ドロシー「ごあいにくさま、私は型破りなんでね」そう言うと、ニヤニヤしながらクッキーを頬張った……



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