ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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600: ◆b0M46H9tf98h[saga]
2022/03/22(火) 00:18:41.38 ID:0pKUnlEE0
…パブ…

情報屋「……おい、電話だぞ」

…取引やタレコミ(密告)に使うため、イーストエンドではめったに見られない電話機が設置してある情報屋のパブ……その電話が「ジリリリンッ……!」とやかましく鳴りだし、用心棒が受話器を取った…

用心棒「誰だ」うなるような声でぶっきらぼうに電話に出たが、眉をひそめると情報屋に受話器を差し出した……

情報屋「何だ?」

用心棒「今日の取引相手から「ミスタ・スミス」にと……なんでも伝言があるとかで」

情報屋「分かった、代われ」

情報屋「……もしもし……そう「スミス」ってのはおれだ。 ……で、用件は?」

情報屋「ああ、そうだ……なに?」

情報屋「……明後日? おい、一度決めた取引の日取りを急に変えるってのはどういうつもりだ?」

…受話器を取り上げてしばらく相手の話を聞いていたが、急に渋い顔をして文句を付けはじめた情報屋……しかし相手は聞く耳を持たぬまま、伝えたい事だけ伝えて電話を切ってしまったらしい……情報屋は切れた電話に向かって「おい!待て!」と怒鳴りつけたが、最後は投げつけるように受話器を掛け金に戻した…

情報屋「くそったれめ……!」

用心棒「……ミスタ・ホッジス?」

情報屋「取引相手からの伝言で、明後日のこの時間に変えたいと抜かしやがった……ええい、くそっ!」

用心棒「それじゃあ集めた連中は……」

情報屋「今日の所は用がねえ……帰らせろ」

用心棒「分かりやした」

…しばらくして…

情報屋「くそったれめ、手前(てめえ)の都合だけで取引の日時を勝手に変えやがって……」ゴミだらけの裏路地に面しているパブの奥の部屋で、いらだちながらウイスキーをストレートであおっている……

情報屋「あの小娘め、もう勘弁ならねえ。今度会ったら……」

アンジェ「……今度会ったらどうするつもり?」

情報屋「っ!?」いつの間にか裏口から入って来たアンジェとちせ……アンジェはフランス風に裁断してある黒いマントに目深にかぶったシルクハット、ちせは厚手のマントを羽織り、その表情はボンネットで隠れている……

アンジェ「取引時間には間に合いそうになかったからそう伝言を頼んだけれど、やはり「モノ」は今日のうちに欲しい……どこにある?」情報屋の向かいに座ると、早速切り出した……

情報屋「モノはここにあるが……その前に金だ。なくっちゃ話にならねえ」

アンジェ「残金の五十ポンドならここにあるわ……王国ポンドよ」誤解のないよう、ゆっくりと札束を取り出す……

情報屋「確認させてもらうぜ」

アンジェ「ええ、どうぞ」

情報屋「……どうやら間違いはねえようだ」手元に書類を抱えたままで手際よく紙幣を数え、上着の内ポケットにしまい込んだ……

アンジェ「でしょうね」



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