ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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605: ◆b0M46H9tf98h[saga]
2022/04/22(金) 01:28:52.48 ID:7UgJNwkr0
…同じ頃・とある下級貴族の屋敷…

初老の男爵「ミス・クロウリー、お茶を持ってきてくれ」

中年のメイド「承知いたしました、カーフィリ様」

男爵「頼むよ」

メイド「はい、ただいま……」

…一週間前…

管理官「……今回の任務は我々の考えに共鳴している王国貴族と接触、当該人物から王国議会の情報を入手することにある。君は「ミス・クロウリー」として該当する人物にコンタクトし、情報を入手しろ」

中年の女性エージェント「はい」


…管理官から任務説明を受けている女性エージェントは髪に白いものが交じり、身体も小さく、手には小じわがより始めている……年の差でいえば孫ほど若い管理官から任務説明を受けながら、時折ミルクの入ったアッサムをすすっている…


管理官「それから支援要員だが、当面の間は二人だけだ。 頭数は少ないが、王国防諜部の監視が厳しい中で無闇に人数を送り込むことも出来ん。どうにかやりくりしてくれ」

エージェント「分かりました」

管理官「必要な機材や道具立てはロンドンの支援要員がミスト・ヴェール墓地の奥、右奥の三つ目にある「ジョージ・マックウェル」の墓に埋めておいた」

エージェント「ジョージ・マックウェル? 一体誰なんです?」

管理官「縁者も親戚もない無縁仏の一つだよ……三十年も前に酔っ払って運河に落ちて溺れた男だ。今さら本人が気にするとも思えないがね」

エージェント「そう願いたいですね」

管理官「大丈夫さ。もし気になるようならウイスキーの瓶でも供えてやるといい……ネストとしては、メイベリー街の12番地にある「アルフレッド・カーフィリ男爵」の家を用意した……男爵と言っても平民とさして変わらない貧乏貴族で、君はそこのハウスメイド(女中)として雇われていることになっている」

エージェント「ええ」

管理官「ロンドン入りは石炭運搬の艀(はしけ)の積荷に紛れて行ってもらう……居心地は悪いだろうが、そこは我慢してくれ」

エージェント「堆肥を積んだ荷車じゃなかっただけでも上等ですよ」

管理官「そう言ってもらえるとありがたいな……目標との接触についてはネストに入り次第、追って指示する」

エージェント「分かりました」

…その数日後・運河沿い…

水夫「そら、もやい綱をかけろ! 道板を渡せ!」

荷下ろし係「ぼやぼやするな! あまり遅いようだと給料を減らすぞ!」

エージェント「……」山ほど積まれている質の悪い泥炭やくず炭が次々と艀から運び出されていく間にそっと船倉から抜けだし、するりと人混みに紛れ込んだ……

…数時間後・墓地…

エージェント「あったわね……」

…無縁仏の粗末な墓石を少し動かすと、その下に包みの手ざわりがある……年齢の割りに機敏な動作で包みを引っ張り出すと、何事もないように墓にお参りをし、ちょこちょこした歩調で歩き出した…

…さらに数時間後…

エージェント「……」

…人目に付かない裏通りで着替えたエージェントは前に着ていたぼろぼろの服をゴミの山に突っ込み、よくいるメイドらしい格好に着替えていた……オールドローズ色のあせたエプロンドレスに、頭に着けたヘッドドレス、手には卵が数個とニンジンが入った買い物用のバスケットを持っている……そのまま何事もなかったかのように、一軒の邸宅の裏口を開けて入った…

エージェント「……ただいま戻りました」

男爵(共和国の支援者)「ああ、お帰り……」

………

…


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