ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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608: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2022/05/09(月) 01:57:55.32 ID:9fHPSI/e0
…王国内務省…

防諜部長「……どうもこのところ、議会で審議された議案や予算案の情報が漏れている。むろん、各省庁の書記や秘書といった人物が関与しているとも思われたが、今回流出した情報は下級官僚には閲覧が許されていない」

管理官「つまり……」

防諜部長「議会内の重鎮、あるいは有力者……つまりは貴族の誰かが共和国に情報を売っているか、どこかで軽々しく話題にしているということだ。 そこでしばらくの間調査を続けていたところ、近々共和国のスパイがその情報提供者と連絡を取るべく接触するという情報が入ってきた」

管理官「では、その糸をたぐっていけば……」

防諜部長「おそらくは情報漏れの穴が見つかるだろう……共和国のスパイとは、どうやら今度行われるベニングスビー伯爵のパーティで接触する予定らしい。 ……情報漏洩の元と思われる人物はある程度まで絞り込んである。後はそれを手がかりとして目標の人物が誰か特定し、共和国のスパイもろとも確保する」

管理官「承知しました」

防諜部長「それから、今回の対象人物からは色々と聞く必要があるのでな……きちんと話せる状態で捕らえてもらいたい」

管理官「お任せを」

防諜部長「頼むぞ……この件はノルマンディ公直々の指示だ。くれぐれも手抜かりのないようにな」

管理官「あの方のですか……」

防諜部長「そうだ。ノルマンディ公が手元に置いている子飼いの連中は別件で動かせんらしい……そこでこちらにお鉢が回ってきたと言うことだ」

管理官「例の褐色娘ですね」

防諜部長「ああ……だが、よそで軽々しくそういう言い方をするな。 内務卿はあの娘をずいぶんと高く評価している」

管理官「そのようですね……部下は誰を頂けますか」

防諜部長「内務卿からは特にこれと言った指示を受けてはいない、ただ「必要な人物を過不足なく確保しろ」と言われているだけだ」

管理官「そうですか……こちらとしては対象の人物やパーティ会場の来客数から考えても、監視に並クラスのエージェントが六人、連絡役(メッセンジャー)として使える下級のエージェントか協力者も同数は欲しい所ですが」

防諜部長「合わせて一ダースか……もう少し減らせないか?」

管理官「これだけの会場で監視対象も複数ということになると、これだけの人数は必要です……もしかすると内通者は女性の可能性もある。男女それのエージェントが三人ずつでは、それぞれ対象を一人か二人監視するので精一杯です」

防諜部長「……仕方ないな、どうにかかき集めてみよう」

管理官「お願いします」

防諜部長「機材で必要なものは?」

管理官「パーティ会場での監視任務ですから、それ相応の格好と、カバー(偽装)に使える身分証やそれに類するものを……貴族は顔が知られていますからなりすますことは出来ませんが、料理の仕出しや雇われの給仕といった人間が入るでしょうから、そうした店の身分証があれば助かります」

防諜部長「分かった」

管理官「後は連絡用の機材ですが、パーティ会場ではモールス信号機も伝書鳩も必要ありませんし……標準的な装備で構わないかと」

防諜部長「うむ、そうしてくれ……予算も無限ではないからな」

管理官「よく知っています」防諜部内で提供される不味い紅茶のポットを軽く見てから、さらりと皮肉を言った……

防諜部長「結構」

………

…ロンドン・仕出し料理店…

雇用係「なるほど、貴族のお屋敷で……それならちょうどいい。じゃあここにサインをして」

共和国エージェント「はい」

…貴族のお屋敷と言えども、さすがに大がかりなパーティともなると屋敷の人間だけでは配膳や調理がまかないきれないこともあり、そういったときには高級レストランからシェフを呼んだり、気の利いた執事やメイドを派遣する「口入れ屋」が注文を取ったりする……生真面目である程度の教養もありそうな人間はそうした場所で受けが良く、エージェントの女性も「盆の運び方」や「食器の上げ下げ」といった実技のテストを受けた後、あっさりと契約書を交わした…

雇用係「当日はお屋敷の勝手口に行き、そこでハウスキーパー(女中頭)から指示を受けること。 あと、忘れずにこの書類を持って行くように」

エージェント「分かりました」

雇用係「それじゃあご苦労さん……次の方」




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