ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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609: ◆b0M46H9tf98h[saga]
2022/05/28(土) 10:25:16.95 ID:hdtDc26e0
…一方…

堀河公「ふむ……ベニングスビー伯爵のパーティか」

ちせ「はっ、どうも内務卿の差し金によるものと思われます」

…表向きは慣れないロンドンでの生活や勉学の支援のため、大使館で定期的に設けられている「相談会」にやってきたちせ……留学生という立場は堂々と大使館に通う理由が付けられるので、指示や報告の機会も得やすい……堀河公とは廊下で出くわした形を取り、雑談でもするかのように何気なく歩きながら報告を済ませる…

堀河公「なるほど、気になる所ではあるな……なにはともあれ情報の入手、大儀であった」

ちせ「もったいないお言葉にございます」

堀河公「いや、君は「倫敦(ロンドン)特務機関」の中でも実に優秀だ……引き続き励んでくれ」そう言うと日本から届いたばかりの菓子折を手渡した……

堀河公「……これは、ぜひ君の「ご学友」と一緒に」

ちせ「かたじけのうございます」

堀河公「うむ……君たち若い女学生はこれからの国家を支えてもらうためにも見聞を広め、勉学に励んでもらいたいものですな!」それまでは周囲には聞き取れない程度の口調で話していたが、急にあたりの事務官たちにも聞こえるような大声で言った……

ちせ「はい」

…そのころ・メイフェア校…

ドロシー「ベアトリス、分かっているとは思うが今回のパーティには気を付けて臨めよ」

ベアトリス「ええ」

ドロシー「お前さんが仕入れてきた情報が確かなら、内務卿がベニングスビー伯爵をつついてパーティを開かせることにした。 だが内務卿……ノルマンディ公が理由もなしに何かをすることなんてない。ましてやパーティを開くよう勧めるなんてことは、プリンセスが机の上に脚を乗っけるくらいあり得ない」

ベアトリス「そうですね」

ドロシー「とにかく当日は絶対に余計な色気を出すな……姫様のお付きとしていつも通りに振る舞え」

…ドロシーとしても着実に進歩しているベアトリスにあれこれ言うのはいささか気が引けたが、そこそこ情報活動に慣れてきてある程度の動きが分かったような気になっている時期が一番危ないと、しつこく言い聞かせた…

ベアトリス「はい」

ドロシー「頼んだぜ?」

ベアトリス「もちろんです、姫様を危険にさらすようなことをするわけがないじゃないですか」

ドロシー「ああ、ならいいんだ」

…一方…

プリンセス「アンジェ、今度のパーティには何を着ていくの?」

アンジェ「そうね……私は例の薄紫色のドレスにするつもりよ」


…アンジェはすでに日々の生活と一体となっている「地味で冴えない庶民出身の田舎娘」のカバー(偽装)を活かすために、パーティやお茶会ではたいてい印象を薄くするようなぼんやりした色合いのドレスを選んでいる……無邪気に微笑むプリンセスに対して素っ気なくそう言うと、また書きかけのノートに視線を戻した…


プリンセス「もう、アンジェったらまたあんな地味な色のものを着るつもりなの? ……せっかくなのだから、あの明るい黄色のドレスを着ればいいのに」

アンジェ「あのドレスは嫌いよ」

プリンセス「むぅ……アンジェの意地悪」

アンジェ「意地悪でも何でもないわ。 ああいう目立つ色を着るのは私の仕事じゃないってだけ」

プリンセス「でもたまにはいいじゃない、特に今回は私の「ご学友」として参加するわけだし……だめ?」いたずらっぽい笑みを浮かべて、下からのぞき込むようにしながら小首を傾げるプリンセス……

アンジェ「だめね」

プリンセス「そう、せっかく綺麗なドレス姿のアンジェを見られると思ったのに……残念」

アンジェ「そんなに見たければ今度二人きりの時にでも着てあげるわ」

プリンセス「ねぇ、アンジェ……それってもしかして「そういう」意味?」

アンジェ「……別にそういうつもりで言ったわけじゃないわ」

プリンセス「あら、でもその割には頬が赤いわよ?」

アンジェ「気のせいよ」




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