ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
616: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2022/08/28(日) 01:41:35.85 ID:2pt1Y3Au0
…数日後…

ベアトリス「出来ましたよ、ドロシーさん」

…針仕事の上手なベアトリスと、おおざっぱなふりをして、意外と何でもこなせる器用なドロシー……二人でちくちくと針を進めていく内に、次第に形になっていく三インチ銃身「ウェブリー・スコット」用の肩吊りホルスター……最後にベアトリスが糸を返してほどけないように縫い、末端の糸を切って道具を置いた…

ドロシー「どれどれ……よいしょ」

ベアトリス「どうですか?」

ドロシー「ほほう……こいつはいいな、まるで誂えたみたいにぴったりだ」工作場の崩れかけたレンガの奥、油布に包んで隠してあるウェブリー・リボルバーを取り出してホルスターに差し込むと、何度か抜き撃ちの動作を試してみる……

ベアトリス「良かったですね」

ドロシー「ああ、これなら肩や腕周りが突っ張って服の上からシルエットが目立つって事もないな。よし、今日はこれでおしまいにしよう」

ベアトリス「それじゃあ灯りを消しま……」

ドロシー「待て」

ベアトリス「……どうかしましたか」ぴたりと動きを止めて声を潜めた……

ドロシー「ああ……そっとのぞいてみろ、窓の向こう……運河の対岸だ。道に車が停まってるだろう」

ベアトリス「ええ、黒い四人乗りくらいの……」

ドロシー「あの車、たぶん同業者のだ……」

ベアトリス「それじゃあまさか……?」

ドロシー「いや、こっちから丸見えのところに車を止める馬鹿はいないさ……ありゃあ、おおかたどっかの監視だな」

ベアトリス「どうします?」

ドロシー「なに、簡単さ……何食わぬ顔で出て行けばいいだけのことさ」

ベアトリス「ずいぶんと落ち着いていますね」

ドロシー「慌てふためいたって良いことなんかないからな……この世界で長生きしたいなら用心深いことはもちろんだが、図太いくらいに落ち着いてなきゃダメだぜ」

ベアトリス「できるだけそうできるように頑張ります」

ドロシー「ああ……とりあえず連中、動くつもりはないみたいだな」あまり長いこと覗き見ていると感づかれてしまうかもしれないので、自分たちに関係がないと分かると早々に窓から離れた……

………

…

…次の晩・共和国のセーフハウス…

共和国若手エージェント「……あれが今回「オーヴァー・ザ・フェンス(越境)」させるやつですか」

共和国エージェント「そうさ」

…中年女性のエージェントは落ち着きはらった様子で椅子に腰かけている……一方、まだ青さの残る若手エージェントは労働者風の格好をしているが、偽装もエージェントらしい振る舞いもまだ板に付いている感じではない……越境希望者の貴族と指定の場所で合流すると、運河沿いの目立たない貸家に入り、越境を手伝う味方エージェントを待っている二人…

若手「ふーん……さっき用事を頼まれたんですが、なんだか高慢ちきな貴族野郎ですね」

エージェント「その「貴族野郎」を向こうに連れ出すのが今回の任務さ……今夜は月の出が遅い。月光で明るくなる前に手配しておいた車に乗って「壁」の近くにあるセーフハウス(隠れ家)まで移動。 越境は明日の朝、明け方すぐに行う」

若手「分かりました。 でも今夜じゃダメなんですかね?」

エージェント「管理官のやつが言うには数週間前の夜に越境を試みた一般人がいたせいで、「B検問所」(チェックポイント・ベーカー)は夜間の見張りが増員されている……そこで相手の裏をかいて、明け方に越境を図る」

若手「なるほど……?」

エージェント「明け方の検問所が開く時間はまだ係官も目が覚めきっていないからぼんやりしているし、壁や建物で日差しが遮られて顔も見分けにくい……それでいて壁を越えて商売をしたりする人間がかなり多くやってくる」

若手「つまり、どさくさに紛れて顔を確かめられずに済む可能性がある……と」

エージェント「そうあって欲しい、ってところさ……もっとも、査証や身分証は情報部の方で移動先のセーフハウスに用意してあるそうだから、あとはそいつがきちんと出来ている事を祈るばかりさ」

若手「分かりました……それじゃあ、また奴さんの様子を見てきます。 さっきまでは紅茶がまずいの、ベッドが汚いだのって言ってましたが……静かにしているところをみると眠っちまったのかな」

エージェント「ま、奴さんもやっこさんなりに越境が心配なのさ」

若手「無理もないですね……」



<<前のレス[*]|次のレス[#]>>
784Res/2273.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice