ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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618: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2022/09/26(月) 01:38:32.09 ID:9SN7V7qY0
…数十分後・コントロール…

7「失礼します」

L「うむ……何があった?」すでに時計は深夜を回っているにもかかわらず、幾人ものタイピストや伝達吏が行き交っている「コントロール」の施設内……冷めた紅茶を横に置いて書類を片付けていたところに「7」が足早に入って来た……

7「先ほど「シェパーズ・パイ」作戦の支援チーム「ホワイト・ラビット(白ウサギ)」から緊急電が入りました」

L「内容は?」

7「はい、内容ですが「ティーポットにはティーコジー(ポット覆い)が被せられた。アリスのお茶会はハートの女王が来て流れてしまった」とのことですが、これは……」

L「分かっている「エージェントが逮捕され、作戦継続は危険」だな……B暗号を使って各チームに脱出を指示しろ」

7「承知しました」

L「さて、これからが本番だ……」


…同じ頃・ノルマンディ公の執務室…

ガゼル「失礼いたします、報告が入りました」

ノルマンディ公「それで?」

ガゼル「はっ、亡命を図っていた貴族「カーナーヴォン子爵」および、越境を支援していた共和国エージェント二名を確保。同時に解読済みの暗号から支援グループの位置も特定、うち一つはすでに検挙し、残りも確保するべく部員が急行中です」

ノルマンディ公「ふむ……それで、エージェントの尋問は?」

ガゼル「すでに「迎賓館」に連行中で、到着次第開始します」

ノルマンディ公「結構。下がってよろしい」

ガゼル「はっ」

ノルマンディ公「……ふむ、これで「水漏れ」が止まればよいがな」ガゼルを下がらせると、チェス盤の駒を一つ動かした……

………

…

…しばらくして・王国内務省のとある施設…

内務省の尋問官「さて……我々はお互いに玄人(プロフェッショナル)だから分かると思うが、今回はたまたま君の運がなかったと言うだけのことだ。気を落とすことはない」まるで友達とおしゃべりするような口調でそう言うと、銃身で張られた頬を気づかってリカーキャビネットからグラスを取り出し、ウィスキーを注いで渡した……

エージェント「ご丁寧にどうも」笑ってみせようとしたが、頬の傷が痛んでしかめ面になってしまう……


…逮捕されてからずっと目隠しをされていたので場所も分からないが、おそらく王国内務省がロンドン市内に持っている尋問施設へと連行された共和国のエージェント……若手のエージェントとは別々にされて連れてこられたのは小さな一室で、小ぎれいな室内には窓こそないが、その代わりにちょっとした机と椅子、小さい戸棚が据え付けてある……エージェントが座っている椅子の向かいにはネクタイのノット(結び目)もきちんとした、真面目そうな顔をした男が座っている……逃亡のしようもないということなのか、手首をきつく締め付けていた手錠も腰縄も解かれている…


尋問官「さてと……お互いによく分かっているもの同士、ざっくばらんにいこうか。 カーナーヴォン子爵のオーヴァー・ザ・フェンス(越境)に協力したのは誰だったのだ? 検問所を通過するのに必要な書類も揃っていたが、誰が用意した?」

エージェント「用意したのはこちらの書類・旅券担当だと思うね。偽造書類でおおよそ作れないものはないっていう話だから」

尋問官「ではカーナーヴォン子爵の越境を指示したのは? 担当官は誰だった? ヘンリー?スタイルズ?それともアーヴィン老かね? 彼はそろそろ引退する頃合いだと思っていたが」態度は穏やかだが、まるで「全て知っているぞ」というように共和国情報部の細かな事まで披露してみせる……

エージェント「いいや、担当はハーバートだったよ」

尋問官「あぁ、ハーバートか……文学に詳しい男だろう?」

エージェント「そう……任務説明の指示書にやたらと比喩や小難しい言い回しを使うんで、読むのに苦労するんだよ。「一回限り暗号帳」方式だからなおのことさ」

尋問官「相変わらずだな、彼も……それで、連絡役は誰だった?」

エージェント「さあ。デッドレター・ボックス方式で指示書を受け取るだけだから正体は知らないね……メールドロップは三か所あって、メッセージを届けるのはそれぞれ暗号名で「メトセラ(旧約聖書に登場する、969歳まで生きたとされる長命の老人)」「ペリウィンクル(ニチニチソウ)」「ヘッジホッグ(ハリネズミ)」と呼ばれていたよ」

尋問官「そのコードネームだが……なにか本人と関係のある名前だと思うかい?」

エージェント「それはないね。うちの情報部はそういう連想できるような名前を付けることをひどく嫌っていたから……おおかた辞書でもめくりながら適当に決めたんだろうさ」

尋問官「なるほど、そりゃそうだ……ウィスキーをもう一杯どうだね?」自分のグラスにも少し注ぐと、エージェントにそう尋ねた……

エージェント「いただくよ。 傷が痛くて、飲まなきゃやってられないからね」




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