ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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636: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/03/24(金) 00:54:35.89 ID:jaJXwus00
ベアトリス「ところでドロシーさん」

ドロシー「んー?」

ベアトリス「その……ドロシーさんたちのいた「ファーム」では、他にどんな訓練があったんですか?」

ドロシー「なんだ、聞きたいのか?」

ベアトリス「はい。ドロシーさんやアンジェさんって、いつも冷静沈着で……どんな訓練をしたらそういう風になれるのかな……って///」何度となくプリンセスを救ってきたアンジェに対する憧れとわずかなうらやましさをのぞかせて、軽く頬を赤らめた……

ドロシー「なるほどな……まぁ、ファームの実態もある程度は王国に掴まれていることだろうし、今さらお前さんにしゃべったからってどうってこともないだろう……いいとも、話してやるよ」

ベアトリス「お願いします」

ドロシー「ああ……前に言ったかもしれないが、訓練教官は色や花、生き物の名前なんかをコードネームに付けていて、それぞれ専門の「科目」を持っていてな」

ベアトリス「そう言っていましたね」

ドロシー「そうだったな。 とにかく「ファーム」では何よりも、必要なことを必要な時にためらわず実行できる能力を鍛えられたな。例えばナイフや身近な物を使った武器での格闘は「ミスタ・ブルー」っていう教官だったんだが……」

…数年前・ファーム…

訓練生「……次はミスタ・ブルーの授業ね」

訓練生B「あの人の授業は特に厳しいし、あんまりやりたくないわ」

ドロシー「まさに「ブルー(憂鬱)な気分」ってところだな?」

訓練生「ええ、本当に……」

訓練生B「しっ、来たわよ」

ブルー「……諸君、それでは始めよう」

…足音も立てずにしなやかな動きでやって来た教官は「ブルー」という名前にふさわしく青白くやせこけている……教官が軽くうなずくと、運動場の左右二列に分かれた訓練生たちの前に補助教官たちが一振りずつ鞘付きナイフを置いていく…

ブルー「さて……これまでの訓練である程度ナイフを使った戦い方は習得できたはずだ。今日はその練習の成果を発揮してもらう」

ブルー「……見ての通り諸君の足もとにナイフが一振りずつあり、これで向かい合う相手とナイフ戦をしてもらう。これは今までの訓練と変わらないが、今回はより一層の緊張感を持たせて実戦に近づけるため、中の何本かは刃を止めていない」淡々とそう言うと、訓練生たちの間にかすかなざわめきが起こった……

ブルー「ちなみにどこに置いたナイフが刃の止めていないナイフかは私にも分からない。完全に無作為で置いてある……つまり、手を抜けば最悪死ぬことになる」

訓練生「ごく……っ」

ブルー「では、ナイフをとって……任意に始めたまえ」

…いわば金属の板にすぎない刃を止めたナイフでも真面目に立ち回ってきた訓練生たちだったが、刃の研がれた本物のナイフが混じっているとなるとその表情は桁違いに真剣さを帯びてくる…

訓練生C「はっ!」

訓練生D「ふっ……!」

…まるでダンスを踊るかのように互いの周囲を巡り、間合いを詰めるとナイフを振る瞬間だけ息を吐く……構え方はそれぞれのスタイルや得意な形に合わせて様々だが、白刃がきらめくたびに相手は飛び退き、ナイフが空を切ったと見ると一歩踏み込んで切りつける…

訓練生E「……やっ!」

訓練生F「くぅ……っ!」

補助教官「そこの二人、やめ!」

訓練生G「たあっ!」

訓練生H「うっ……!」

補助教官B「それまで!」

…喉元にナイフを押し当てられたり、組み敷かれて身動きが出来なくなった段階で教官たちが割って入る……訓練相手は入れ替わり式で、勝った方は隣の組の勝った方と、負けた方は負けた方で次々と替わっていく……次第に勝ち抜いていったドロシーが最前列まで来ると、向かい側にアンジェが立っている……二人のかたわらにはブルーが立ち、何一つ見落とすことのない鋭い目で全体を見わたしながらも、二人を間近で観察している…

ドロシー「よう、アンジェ」

アンジェ「ドロシー……準備は良い?」

ドロシー「ああ、いいさ。それじゃあ始めるか?」

アンジェ「ええ……はっ!」


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