ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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[sage saga]
2023/07/15(土) 01:26:20.95 ID:rEmpvOiO0
…ル・アーヴル市街・ホテル…
ドロシー「……ふぅ、やっと着いたわね。えーと……ホテル……エトイ……」港から割高な四輪馬車を雇ってホテルの前へと乗り付けると、馬車を降りるなりわざとフランス語の看板を読もうと悪戦苦闘するフリをしてみせた……
アンジェ「クローディア様、このお宿の名前でしたら「オテル・レトワール・ブラーンシュ(白い星)」ですわ」
ドロシー「ああ、そう読めばいいのね。フランス語なんていうのは苦手だわ」
アンジェ「でしたらわたくしが訳してあげますからご心配なく」
ドロシー「お願いするわ、マルグリット」
アンジェ「ええ、もちろんですわ」
…フロント…
ホテルの女将「……お泊まりでいらっしゃいますか?」
アンジェ「ええ、予約しておいた「クローディア・テイラー」よ」ドロシーに代わってフランス語で答えるアンジェ……
女将「承っております、マドモアゼル・テイラー……良いお部屋を用意してありますよ」
…かつては美人で鳴らしていたであろう宿の女将はだいぶ恰幅が良くなっているが、それでも所々に昔の色気を残している……もっとも、外面の色気で隠されてはいるが態度の端々からは金にがめつい感じがにじみ出ていて、うっかりすると有り金を巻き上げられかねない…
ドロシー「宿の女将さんはなんて言ったの?」
アンジェ「いいお部屋ですって……この女、フランス語はまるで分からないの」前半は「フランス語が分からない」ドロシーに向けて、後半は流暢なフランス語に切り替えて宿の女将に向けて言った……
女将「ふん、アルビオンの人間なんていうのはたいていそうよ……どいつもこいつも高慢ちきで頭は空っぽ」
アンジェ「そうね」
女将「ああ……それで、あんたはどこの出身?」
アンジェ「このしゃべりを聞いて分からないの?」
女将「いや、あたしと同じノルマンディに聞こえるけど……アクセントがちょっぴりパリ風じゃない?」
アンジェ「片親はノルマンディだけれど、パリで育ったものだから」
女将「そういうこと……」
アンジェ「ええ」
ドロシー「……ねぇマルグリット、さっきからなんて言ってるの?」あれこれ詮索されてボロが出るとマズいので、ちんぷんかんぷんのフランス語にじれたフリをして割り込むドロシー……
アンジェ「あぁ、はい。お食事は何時頃が良いか教えてほしいそうですわ」
ドロシー「そうね、まぁ夜の七時頃から始めれば良いんじゃない?」
アンジェ「伝えておきますわ……マダム、夕食は七時頃からでお願いするわ」
女将「分かったわ。それからシャンパンとワインでしょ?」
アンジェ「ええ。アルビオンの人間は味なんて分かりゃしないから、適当なラベルのやつで充分よ」
女将「はいはい……それからそっちの小さいのはシノワ(中国人)?」ちせに目線を向けて興味もなさそうに聞いた……
アンジェ「ジャポネ(日本人)よ。彼女の召使いなの」
女将「そう。じゃあ続き部屋(スィート)の前室に寝かせればいいのね」
アンジェ「それでいいわ」
ドロシー「ねぇマルグリット、フランス語が長ったらしいのは知ってるけど……食事の時間を伝えるだけでそんなにかかるの?」
アンジェ「いま済みましたわ、クローディア様」
ドロシー「そう、よかった。 長旅で疲れちゃったから、早く部屋に行きたいの」
アンジェ「いま案内してくれますわ……部屋に案内してあげてちょうだい」
女将「はいはい……お待たせいたしました。ただいまお部屋にご案内いたしますわ♪」金回りの良さそうなドロシーに向けてにこやかに微笑みながら、まずますの英語で言った……
ドロシー「ええ。ありがとう、マダム」アンジェに合図をしてフラン金貨を握らせる……
女将「いいえ、どうぞごゆるりと♪ 荷物はすぐ運ばせますので」
ドロシー「お願いするわ……さ、行きましょう」
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