ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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701: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2024/07/11(木) 01:19:22.81 ID:FtE+bVvO0
………

…とある洗濯屋…

洗濯屋のおばさん「いらっしゃい」

7「すみません、こちらをお願いしたいのだけれど……ワインをこぼして二か所もシミを作ってしまったの、どうにか綺麗にならないかしら?」

おばさん「ワインのシミねぇ……赤ですか、白ですか」首元や目尻にできたシワも目立つ腰の曲がった洗濯屋のおばさんが、チェーンで吊るしている小さなレンズの眼鏡をかけ直した……

7「それが、ロゼワインなんです」

おばさん「……そういうことでしたらシミ抜きをしなくちゃなりませんねぇ、どうぞこちらへ」

…洗濯屋・作業場…

ドロシー「忙しいところ呼び立てて悪かったな……お茶の時間を邪魔したくはなかったんだがね」洗濯女らしく洗濯桶の水でふやけた手でブラウスやエプロン、ペチコートなどを洗いながら話し始める……

7「お茶が冷めるまでに終わらせてもらえると助かるわ。それで、進捗状況は?」

ドロシー「そのことだが、暗殺に関わっているかもしれない人間の写真を手に入れた……と言えなくもない状態にある」

7「奥歯にものが挟まったような言い方ね?」

ドロシー「事実そうなのさ……」焼き増しした写真を渡すと、大まかな経緯を説明する……

7「……なるほど」

ドロシー「公務やなにかであれだけ人の顔を見ているプリンセスですら見覚えがないって言うんだ、ということは今まで表舞台に出たことのないやつか、さもなきゃ王国防諜部か何かの秘蔵っ子だぜ」

7「可能性はありそうね……それで?」

ドロシー「とにかくこいつが誰なのかあたってほしい……無論ばっちり身元が割れれば言うことなしだが、どこで見かけたとか、どんな場所にいたとか、そういうちょっとしたヒントだけでもいい。もしかしたら味方のエージェントの中には知っている奴がいるかもしれない……あるいはこっちに転向した元王国のエージェントだとか、スティンカー(裏切り者)どもにあたらせるのもアリだろう……ま、細かいところは任せるよ」

7「いつまでに結果を知りたい?」

ドロシー「そりゃ早い方が良いに決まってるが、あんまり目立つ動きをすると感づかれるだろうしな……適当な期間で頼む」

7「分かったわ」

ドロシー「それじゃあ頼んだ……私はあと一時間ここで洗濯物を洗わなくちゃならないんでね」

7「それじゃあこのシミを付けたブラウスも綺麗にしておいてちょうだいね」

ドロシー「あいよ」

………

…数日後…

共和国エージェント「お久しぶりですね」

共和国管理官「ああ、半年ぶりか? ……どうだ、ひさびさに旧交を暖めようじゃないか」シングルモルトのウィスキーをグラスに注いだ……

エージェント「僕の好きな銘柄です、覚えていてくれたんですね」

管理官「当然だ。君はストレートで良かったな?」

エージェント「ええ、乾杯♪」軽くグラスを持ち上げると、琥珀色の液体をゆっくりと味わった……

…しばらくして…

管理官「……こうして君と話すのも久しぶりだが、ロンドンの暮らしが合っているようでなによりだ……ところで」ひと束の写真を取りだした……

エージェント「何です? 判じ物かなにかですか?」

管理官「まぁそんなところだ……実はつい先頃、王国のエージェントが「壁越え」をしてな。手土産に王国側エージェントとおぼしき写真の束を持ってきてくれたんだが、こっちが把握していないやつが何人かいてな……見た上で知っている顔があったらどんなカバーを使っているのか教えてくれ」

エージェント「分かりました、どれどれ……」一枚ずつ写真を眺めていく……

エージェント「ああ、こいつは知っています。たしか財務省にいる男です」

管理官「さすがだな……続けてくれ」

エージェント「こいつは知らない……こいつは陸軍省の次官補に付いている秘書だったはずです……それからこの女は……」

管理官「見覚えが?」もちろん「亡命者の手土産」などと言うのは真っ赤な嘘で、有名無名の王国エージェントや協力者の写真に「帽子の女」の写真を混ぜ、あわよくば身元を特定させようという管理官……

エージェント「いいや、見たこともないですね……それにどのみち婦人帽をかぶっていたんじゃ、顔がほとんど隠れていて判別しようがありませんよ」

管理官「そうか、次はどうだ?」

………

…


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