ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
737: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2025/05/24(土) 01:20:13.49 ID:IhrD1XMU0
…別の日…

ドロシー「……おはよう」

ちせ「うむ。ずいぶん心地よさそうに眠っておったの」

ドロシー「おかげさまでな……朝飯は食ったか?」

ちせ「いや、まだじゃ」

ドロシー「なら私がぱぱっと作ってやるよ」

ちせ「うむ」

…洗面台でばしゃばしゃと顔を洗うと台所に立ったドロシー……昨夜の残り火を火種にして石炭をくべ、炉の火加減が良い具合になると卵を割り、ベーコンを切り出して熱くなってきたフライパンに放り込む……数分もしないうちにベーコンの焼ける音といい匂いが漂い、跳ねた油に時折「あちっ!」と悪態をついたりしながら、布巾でフライパンの柄をつかんで持って来た…

ちせ「なかなか美味そうじゃな」

ドロシー「ああ。食えるときに食うのもエージェントの任務だ……腹ペコじゃ力も出せないからな」食パンとベーコンエッグスを皿に乗せるとテーブルクロスの上を滑らせてよこした……

ちせ「おっと……では、いただきます」皿が逃げないように捕まえると手を合わせた……

ドロシー「おう、食ったら休憩に入っていいぞ」食べている間にも窓越しの観察を怠らないドロシーだが、監視対象のホテルの部屋はまだカーテンが引かれていて様子が掴めずにいる……

ちせ「うむ、なかなかのものじゃ」

ドロシー「だろ? チーズもあるから好きなように切って食べな」

ちせ「しかし、あまり食うと身体が重くなるのでな……むむむ」

ドロシー「別に無理に食えとは言わないさ。欲しけりゃ……ん、ぐっ」飲み込みかけたパンを詰まらせそうになり、紅茶で流し込む……

ちせ「どうした?」

ドロシー「奴が出かける……追うぞ」

…新大陸からのエージェントはフェルトの中折れ帽に茶系のスリーピースとリボンタイ、ピカピカの茶革のブーツでダンディに決めている……そして「野性味あふれる西部の好男子」キャラクターを本人もよく自覚しているらしく、ロンドンには似つかわしくない派手な笑顔や身振りを振りまいている…

ちせ「うむ……格好はこれで構わぬか?」街なかで尾行するのに着物では目立ちすぎるので、ドロシーが見立てた黒を基調としたモノトーンのデイドレスに日傘を持った……

ドロシー「ああ、それでいい♪」いつものように深緑色をベースにおいたデイドレスに同系統の日傘を持ち、にやりと口の端に笑みを浮かべた……

…ロンドン市内…

ちせ「やつはどこに向かうつもりじゃろう?」

ドロシー「それを調べるのがこっちの役目さ……私は目立つタイプだから距離を開けて援護に回る。まだ慣れないと思うが試しに付けてみろ」

ちせ「承知した」

…場合によっては尾行がいないか調べるために、本人の後ろから距離を空けて「守護天使(監視役)」がついている事もある……ドロシーはその監視役がいないか見破るために大きめに距離を空け、尾行そのものはちせに任せた…

男「〜♪」

ちせ「……」何かの曲を鼻歌で鳴らしながらすたすたと歩いて行く男に対して、小柄なちせは少し難儀しながら尾行を続ける……と、男は劇場へ吸い込まれるようにして入っていった……

ドロシー「……劇場か」

ちせ「どうするのじゃ?」劇場の前を行き過ぎてから裏道の角で合流した二人……

ドロシー「薄暗くて不特定多数の人間が出入りする場所は情報交換にも持ってこいだ。入ろう」

ちせ「うむ」

…劇場…

ドロシー「済みません『プリンセス・プリンシパル〜Clown Handler〜』の当日券を二枚」

受付「はい。どうぞごゆっくり」

ドロシー「ええ、どうも♪」

ちせ「……しかし、活動写真など久しぶりじゃ」

ドロシー「そりゃ良かった……やつに視線を向けると気付かれるかもしれないからな、映画の方を楽しむといい」男の席より四列ほど後ろ、左にも五つほど離れた場所に席を取った……

ちせ「あい分かった」

…男は映画のパンフレットを眺めながら、幕が上がるのを待っている……照明が落とされ、周囲のざわめきが収まるとカタカタと映写機が回り始める…

男「……」

ドロシー「……」

ちせ「……おぉぅ」隣にも聞こえないような小声で感嘆の声をあげつつ、熱心に映画を見ているちせ……


<<前のレス[*]|次のレス[#]>>
783Res/2270.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice