ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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736: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2025/05/17(土) 01:20:20.86 ID:kE2gk5uE0
…数日後…

ドロシー「……なるほどな」

ちせ「難しい顔をしてどうしたのじゃ?」

ドロシー「人手がいないから監視任務はあれで切り上げだと思っていたんだが、どうやら見込み違いだったようだ」暗号の書き込まれた薄紙を暖炉にくべると、あごに手をあてて思案顔をしている……

ちせ「と、いうと?」

ドロシー「どうやらあの「西部の伊達男」はそれなりに価値のあるアセット(資産)らしい……いまは内務省の連絡員がついてロンドンのホテルに宿泊中だ」

ちせ「ふむ」

ドロシー「そして、だ……私とお前さんであの男の監視を継続することになった」

ちせ「二人きりでか?」

ドロシー「ここに他の誰かがいるように見えるか?」

ちせ「いや……しかし監視任務が二人というのは……」

ドロシー「監視任務は前にもあったが、あの時はほぼ休眠状態の拠点を見張っていただけだからな……今回みたいな監視任務にエージェントが二人なんていうのは正直に言えばありえない。三人で回すのだってあきれるほどキツくて、睡眠はおろか用を足す時間だって切り詰めなきゃならないくらいだ」

ちせ「とはいえ任務は任務……というわけじゃな」

ドロシー「その通り。部屋は経歴に問題のない人間が正当な手段で借りているはずだから、とやかく詮索されることもまぁないだろう……着替えは途中のネストに置いてあるやつを使う」

ちせ「承知した」

…数時間後・監視拠点…

ドロシー「……へぇ、そう悪い部屋じゃないな」

ちせ「倫敦(ロンドン)も中心街に近いと、下宿屋まで上等になるものなのじゃな」

ドロシー「その分だけ家賃も高いがな……ありがたい、ベッドも良さそうだ♪」着替えやこまごましたものを詰めたスーツケースを置くと、跳ねるようにしてベッドに座った……

ちせ「うっ……ぷ! よさぬか、ホコリが立つ」

ドロシー「悪い悪い♪ それはそうと、ここからならやつの部屋が視界に入る」角度の都合でホテルの窓からは見えないが、ドロシーたちの部屋からはホテルの室内が限定的ながら見ることができる……さっそく椅子を一脚持ち出して窓辺に置き、陽光が反射しないようカーテンを引いてから望遠鏡を取りだした……

ドロシー「これでよし、と……あとは忍耐勝負だ。私はちょいと周辺の地理を押さえるついでに食い物を仕入れてくるから、その間は監視を頼む。分かっているとは思うが、どんな奴が来てどのくらい部屋にいたか、きちんとメモをつけておいてくれ。それと私が帰ってきたときにノックが「緊急事態」だった場合は、すぐメモを焼き捨てて脱出しろ」

ちせ「うむ」

…数分後・近くの食料品店…

ドロシー「……ごめんください」

店員「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

ドロシー「ええ。食パン二斤に「ハントリー&パーマー」のビスケットひと缶、チェダーチーズ半ポンド、リンゴを一ダース、ソーセージをひとつながり……そのパテは?」

(※ハントリー&パーマー…1822年の創業から1980年代に買収されるまで長くブランドを保った有名なビスケット会社。きれいなデザインを施したビスケット缶はトレードマークとして有名になった。王室御用達)

店員「レバーのパテです、美味しいですよ」

ドロシー「じゃあそれとサーディンをそれぞれひと缶に赤ワインを一本」

店員「あの、失礼ですが初めてのお客様にはかけ売り(ツケ)をしておりませんので、現金での支払いをお願いしているのですが……よろしいですか?」

ドロシー「もちろん」ポンド紙幣を出してカウンターに置いた……

店員「はい、確かに……ではお釣りです。よろしければ運ばせましょうか?」

ドロシー「すぐですから大丈夫、どうもありがとう」

店員「またのお越しを!」

…裏路地…

ドロシー「ふぅん……この通りはこっちと繋がっているのか……」買い物袋を抱えたなんということもないそぶりで周辺の裏路地や通り抜け、小道や抜け道を確かめる……

ドロシー「よし、今日はこれでいいだろう」袖口でリンゴを軽く拭うと歩きながらひとかじりした……

………

…



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