ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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741: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2025/06/20(金) 00:54:41.26 ID:jxCO0DJE0
…しばらくして『壁』沿いの倉庫街…

役人風「どうにか無事に着いたな」

男「当然さ」

役人風「どうだか……向こうは呆れるほど広い荒野なんだろう? ハンドルの使い方を知っているだけでも驚きだ」

男「ハリネズミに巣を借りて狭い道での運転を練習したのさ」

役人風「ふん……まぁいい、中に入ろう」

男「なら先に入ってくれ、おれは監視がいないか確かめてから入る」

役人風「分かった」

…近くの廃屋…

ドロシー「あそこに入ったが……見たところはただの倉庫だな」

ちせ「どうするのじゃ?」

ドロシー「ひとまずは監視するだけだ。もちろん後で報告は上げる。しかし人の気配もないし保安措置が講じられているようでもないな……」

ちせ「文字通り『ただの倉庫』なのではないか?」

ドロシー「そんなはずないとは思うが……」真鍮が光を反射しないよう筒に黒い布を巻き付けた望遠鏡を取り出し、風にさらされている古ぼけた倉庫を観察した……

ちせ「ふむ……」

ドロシー「とりあえず動きはない。今日のところは連中が引き上げるのを待ってからこっちも撤収、場所だけ報告したら明日以降の監視を考えよう」

ちせ「承知した」

………

…

…翌日・市内の図書館…

L「……なるほど」

ドロシー「ともかくその倉庫には人影もなけりゃ会社名の看板もない。屋根には雑草が生えてるしレンガは崩れかけ……だからこそ逆に引っかかる」

L「というと?」

ドロシー「監視のない倉庫に意味深な人の出入り……興味を持たせるようにわざとやっているとしか思えない」

L「つまり罠だと」

ドロシー「ああ、私はそう思うね」

L「ふむ……さっき場所は壁の近く、地図で言うとこの辺りだと言ったな」なんの変哲もないロンドン地図の一点を指さした……

ドロシー「ああ、その辺りだ。もっともその辺りは革命騒ぎで焼けた廃屋か需要の少ない倉庫がほとんどで、地番もないような区域だからおおよそのところだが……」

L「……この場所なのは確かか?」

ドロシー「ああ、間違いなく」

L「ふむ……金脈を掘り当てたとは言わんが、近いところまではたどり着いたようだな」

ドロシー「どういうことだ?」

L「この地図を見てみろ」取りだした別の紙はふちが黄ばんでところどころ破れていて、隅には下水道の経路を示す整備図であることが書かれている……

ドロシー「これは……!」

L「見ての通り、この倉庫の地下を通る下水道をたどっていくと壁沿いにある複数の王国軍施設と地下で繋がっている」

ドロシー「しかも一つや二つじゃない……小火器の保管庫、車輌整備施設、重砲の弾薬庫……どうなってるんだ」

L「……君の歳では知らんのも無理はない。そもそもこの周辺の『下水道』は王国がこちらと開戦することになったときに、ロンドンの防壁を守るべく備えて作られた要塞線の一部を造り替えたものだ」

ドロシー「それじゃあ……」

L「人気がないように見えるのも当然だ、おそらく下水道の点検用に掘られた地下通路から出入りしているのだろう」

ドロシー「それじゃあ監視のしようがないな」

L「ふむ……では可能な限りでその倉庫には何があるのか、何の目的でどこへ運ぶのかを調査しろ」

ドロシー「分かった」


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