ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
743: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2025/07/02(水) 00:19:00.79 ID:MrZBuGBD0
…夜…

ドロシー「ちせ」

ちせ「うむ」粗末なベッドで寝ていたはずが、ドロシーが声をかけるとまるで起きていたかのように返事をした……

ドロシー「そろそろ時間だ」

ちせ「そうか……それよりドロシー、その格好は一体?」

ドロシー「どうだ、なかなかのもんだろ?」

…起き上がったちせが向けた視線の先には、色もよく分からないボロを着た汚らしい女が木の桶を持って立っている……品のないニヤリとした笑みを浮べると歯並びの悪い黄ばんだ歯がゆがんだ唇からのぞき、もつれ放題の髪は脂ぎっていて、肌も垢じみて黒ずんでいる…

ちせ「……まるで別人じゃな」

ドロシー「なぁに、コツさえ覚えれば結構簡単なもんさ……格好よりも動きが大事なんだ」

ちせ「その服はどこから?」

ドロシー「慈善活動のフリをして貧民街に行ったときに私と背格好の近い女を見つけてね。まっとうな服をやる代わりにこいつを引き取ってきたのさ」

ちせ「なるほど……私もそういう格好をしたほうがよいのじゃろうか?」

ドロシー「必要ないさ。ちせに動いてもらうときはのっぴきならない時だけだ」

ちせ「なるほど」

ドロシー「さて、それじゃあ最後の仕上げと行くか……」

…部屋の隅に持ち込まれている見なれない容器は使い込まれた機械油の桶で、中身はすっかり真っ黒になっている……ちせが古いオイル特有の嫌な臭いに鼻にしわを寄せているなか、ドロシーは古油を少し手に取ると「うへっ、ひでえな……」とぼやきながら手首や首もとに少しすりこんだ…

ちせ「……まるでオンボロの工場じゃな」

ドロシー「いつぞやの洗濯工場みたいにか? ……いくら格好がボロでも、物乞いや貧民層に特有の臭いがしないと相手に違和感を与えてしまう。視覚、嗅覚、聴覚……五感すべてを使って自分のなりすましたい人間に寄せないといけないのさ」

ちせ「むむ、見事なものじゃ……」

ドロシー「お、合格をもらえるとは嬉しいね……それじゃあぼちぼち出かけるか」

…しばらくして・倉庫の裏手…

ドロシー「……」

ちせ「……」身を屈めてよたよたと歩いているドロシーと、倉庫の屋根を伝いながら周囲を監視しているちせ……腰に脇差を提げ、塗り笠をかぶって素早く動く様子ははっきりと視界に捉えるのも難しく、影のようにドロシーを援護している……

ドロシー「なんだい、こんなもの……」

…ゴミ漁りの女らしくぶつぶつとひとり言をつぶやきながら、金目のものや食べられそうなものを探しているふりをするドロシー……でこぼこの道をあちらのゴミ箱、こちらのクズ山と寄り道しながらも着実に倉庫へ近づいていく…

ちせ「む、例の倉庫に取り付いたようじゃな……」

ドロシー「さて、と……ちょいと拝見させていただくよ」ドロシーは倉庫のすみっこ、レンガの崩れかけている小窓に顔を寄せると内部をのぞき込んだ……

ドロシー「……おっ?」

…のぞきこんだ倉庫の中は明かりが漏れないよう照明に幕が張り巡らせてあり、光が真下にしか届かないよう工夫してある……そして中には大きな木箱がいくつも積み上げられ、防水布がかけられた大きなシルエットもいくつか鎮座している…

ドロシー「防水布がかかってはいるが……ありゃあ自動車だな。あっちの大きい箱は機関銃に、少なく見積もっても数百人分の軍用ライフルの輸送用木箱……それに爆薬の大箱と2ポンド級の速射砲が見える限りで三門……戦争をおっぱじめるには量が足りないが、ちょっとした騒ぎを引き起こすには十分すぎるくらいだ……」

…視界に収めたものを暗記しているドロシーの背中に、コツンと小さな石ころがぶつけられた……石ころは屋上で見張っているちせからの「敵の見張りが近づいている」という合図で、ドロシーはさりげなくのぞき窓を離れてまたよたよたと歩き出し、角を曲がった矢先に声をかけられた…

私服「……おい、なんだお前は。ここで何をしている」

ドロシー「あぁん、あたしがここにいちゃいけないって言うのかい?」

私服「当たり前だ、この辺りは軍の管理区域だぞ。お前みたいなゴミ漁りの来る所じゃない……その手に持っているものはなんだ、持ち物を見せろ」

ドロシー「嫌だよ、せっかくの収穫をあたしから取り上げようって言うんだろ?」

私服「ふざけるな、だれがそんなゴミなんかいるか……いいから見せろ」

ドロシー「分かったよ……いいけどネコババするんじゃないよ」

私服「バカ言え……この桶はなんだ」

ドロシー「水だってことぐらい分かるだろ? この辺りには水道なんて気の利いたものはありゃしないからね、そこのパイプから滴ってるやつをいただくんだよ」

私服「その包みは?」

ドロシー「見ての通り服だよ。お前さん、ドロワーズ(女性用下着)が欲しいのかい?」

私服「そんなものいるわけないだろう……もういい、あっちに行け」

ドロシー「なにさ。威張りかえった若造だね、まったく……」ぶつくさ言いながら歩み去った……


<<前のレス[*]|次のレス[#]>>
783Res/2270.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice