ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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744: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2025/07/03(木) 01:10:22.04 ID:Ktr1NPcB0
男「……いったい何を騒いでいるんだ?」

ドロシー「……」

…施設の警備に当たっている情報部とおぼしき私服をうまくあしらって立ち去りかけた矢先に、施設から口ひげの男が出てきた……ロンドンの湿っぽい夜には似つかわしくない茶革の靴にフェルト帽で、施設の中に火薬があるためか火の付いていないパイプをくわえている…

私服「いえ、怪しい女がうろついていたので……ゴミ漁りの女乞食でした」

男「ほう、そうかい」男はゆったりした歩きでドロシーに近寄ってきた……

男「……こんな所じゃ食い物なんか見つからないだろうに、大変だな」

ドロシー「仕方ないのさ、実入りのいい場所で漁ろうと思ったら元締めにおあし(銭)を払わなくっちゃならないからね」

男「なるほどな……」

ドロシー「じろじろ眺めてどうしたんだい、あたしがいい女だからって気に入ったのかい?」下世話な女らしく歯をのぞかせ「けけっ…♪」と下卑た笑い声をあげる……

男「いや、どこかで見たような気がしたもんだからな……」

ドロシー「イヤだねぇ旦那、この間あたしを抱いたってのにもうお忘れとは……けっけっけ、情けないねぇ」

私服「こいつ、人をおちょくりやがって……!」

男「おい、落ち着けよ……何も持っちゃいなかったんだな?」

私服「ええ。持っているのはガラクタばかりです」

男「だったら放してやれ……ところで名前は?」

ドロシー「ジェーンだよ。ところであんたの名前はなんて言うんだい、色男の旦那?」

男「おれか? あんたがジェーンなら、おれのことはジョン・スミスとでもしておいてくれよ」

(※ジョン・スミス…ごくありふれた名前であることから偽名や匿名を意味する「名無しの権兵衛」の代名詞。女性の場合はジェーン)

ドロシー「そうかい、それじゃああたしは行っていいんだね? ジョン・スミスの旦那?」

男「ああ。ただこの辺りは「壁」のそばで軍の管理区画だ。こういう面倒ごとに巻き込まれたくなかったら近寄らないことだ」

ドロシー「そうさせてもらうよ、そっちの生っ白いほうはけんつくを食らわすしさ」

私服「この……!」

男「おい、そうカッカするなよ……あぁ、ちょっと待て」

ドロシー「……なんだい?」内心どきっとしたが、平然と振り返った……

男「今夜の飯にありつけないようじゃ困るだろう、取っておきな」硬貨をピンと指ではじいて寄こした……

ドロシー「へっへっへ、こりゃあひさびさに良い色を拝ませてもらったよ……飲み代がなくなったらまた来ようかねぇ?」

男「あんまりこの辺りでうろちょろしていると、銀じゃなくて鉛が飛んでくることになるからやめておきな」

ドロシー「おやおや……それじゃああたしはおいとまさせてもらうよ」

男「ああ」

…しばらくして・監視拠点…

ドロシー「ふー……まさか当の本人とはち合わせとは、運がいいんだか悪いんだか……」

ちせ「驚きじゃったな」

ドロシー「まったくだ……くそ、質の悪い石けんだな」ガタのきている洗面台で石けんを泡立て「変装」に使った古いオイルや泥土を一生懸命洗い落としている……

ちせ「あとは寄宿舎に戻ってからじゃな」

ドロシー「そうだな。 どうだ、臭いは落ちたか?」

ちせ「むぅ……まだいくぶん油くさいが、まぁどうにかなる範囲じゃ」

ドロシー「ならいいか」

ちせ「それにしてもドロシーの見たものは兵器がひと山……新大陸でどう使うつもりじゃろうか」

ドロシー「可能性はいくつかある。北ならカナダでケベックの独立を狙う親フランス派にニラミを利かせるためだし、南なら国境でもめているメキシコへの圧力だ。こっちは後ろ盾にスペインがいる」

ちせ「むむむ」

ドロシー「どちらにせよまだ積み上げている途中だったから、荷物はあれで終わるわけじゃなさそうだ」

ちせ「と、なると……」

ドロシー「新大陸で王国の影響力が増すことになるだろうな」


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