ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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◆b0M46H9tf98h
[sage saga]
2025/08/14(木) 01:06:01.57 ID:JDURLMJX0
役人風「……さて、それじゃあ質問に答えてもらおうじゃないか」
口ひげ「答えてくれるとは思えないけどな」
役人風「そこはやり方次第さ……任務の目的は?」
ドロシー「さぁね(こいつら、私が爆弾をしかけたことを知らないのか……)」音が聞こえているわけではないが、箱の陰でチクタクと秒針が進んでいる時限爆弾のことを考えると背中に冷や汗が流れる……
役人風「誰の命令だ? 共和国か、フランスか?」
ドロシー「……」
役人風「答えてくれんのならやむを得ないか……ベイカー」
私服「はい」ドロシーの髪をひっつかむとほっぺたに平手打ちを浴びせた……
役人風「どうだ、答える気になったか?」
ドロシー「ぺっ……!」痺れるような頬の痛みをこらえつつ、鮮血混じりの唾を床に吐いた……
役人風「頑固なお嬢さんだな……とはいえ、あまり時間を掛けている場合でもないな」懐中時計を取りだして時間を眺めた……
口ひげ「どうするつもりだい?」
役人風「もちろん聞き出せればそれに越したことはないが、答えないというのなら射殺するまでだ……スパイだろうとスパイじゃなかろうと、どっちみち共和国の無法を示す格好の宣伝になる」
口ひげ「女を撃つのは気が進まないな」
役人風「メキシコ人や先住民をキツネ狩りのように追いまくった西部の男が今さら紳士ぶるつもりか?」
口ひげ「相手も得物を持っていれば別さ」
役人風「自己満足のきれいごとだな。君だってこの箱の中身が何か知らないわけじゃないだろう」
口ひげ「……こいつは植民地の防衛に持ち込まれるって話じゃなかったか」
役人風「おやおや、まさかそんなお題目を信じているのか……お嬢さん、もしかして君なら知っているかもしれないな?」
ドロシー「ああ、ハイチだろ?」わざと誤った答えを言って、相手に真相を知らないのだと思いこませる……
口ひげ「ハイチだと?」
役人風「いいや、ハイチじゃない……ジャマイカだよ」
口ひげ「どういうことだ」
役人風「現地人の反乱を食い止めるために至急武器を送り込む必要があるということだよ……とはいえ政府の承認だの、のろ臭い予算申請だのを待っている暇はない」
口ひげ「そこでおれの出番ってわけか……」
役人風「その通り。君が植民地での担当官として武器の補充を要求すれば、内務省は裏金やモノをやりくりして必要なものを出してくれる……あとはそれを必要な場所に振り向ければいいだけでね」
口ひげ「つまりおれは「開けゴマ」の合い言葉ってわけかい」
役人風「そういうことになるな。とはいえ別に悲観することはない、内務省での君の評判が高まれば新大陸でホコリにまみれてエージェントをしている必要もなくなる。本省勤めは良いものだよ?」
ドロシー「……おまけにあんたみたいな小役人野郎ともお近づきになれるしな」
私服「黙れ!」
役人風「言わせておけ。どうせそう長くはないんだ……梱包はどうだ?」
私服B「あらかた片付きました。あと五分もあれば済みます」
役人風「よろしい……それじゃあスミス君、ひとつご自慢の射撃の腕を披露してもらおうじゃないか」
口ひげ「……」
ドロシー「……やれよ、ミスタ・カウボーイ」
口ひげ「お嬢さん、何かしてやれることはあるかい?」
ドロシー「そうだな、せいぜい苦しまないよう一発で眉間をぶち抜いてくれってくらいかな」一瞬だけ、横目で天井に走っている梁を見た……
役人風「驚くべき度胸だ……さ、お嬢さんの頼みをきいてやれ」
口ひげ「……ふぅ」脚を肩幅に開いて腰を少し落とし、腰のホルスターに手を伸ばしていく……
ドロシー「あぁ、そうだ……気取り屋のあんたに一つだけ言いたいことがある」
役人風「?」
ドロシー「……同業者をとっ捕まえたときは、ちゃんと相手の人数も確かめておいた方がいいぜ?」そう言うとニヤリと笑った……
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