ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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◆b0M46H9tf98h
[sage saga]
2025/10/30(木) 01:33:17.34 ID:R+dE9aQ90
…case・ベアトリス×プリンセス「Poison in the garden」(花園の毒)…
…とある日・部室…
プリンセス「本日は急にお呼び立てしたにも関わらず、集まっていただいてありがとうございます」
…お茶のカップに手を付けることもせず深刻な顔をしているプリンセスと、不安とおびえの入り交じったような表情でお茶を注いでいるベアトリス…
ドロシー「なぁに、どうせ時間はあったからな……しかしプリンセスから招集とは珍しい、天下国家の一大事か?」
アンジェ「ドロシー」
ドロシー「すまんすまん、茶化して悪かったよ……どうぞ始めてくれ」
プリンセス「ええ、実は昨日このようなものが……」そう言ってテーブルの上に置いたのは封筒の表書きに「シャーロット王女殿下」の宛名が書かれた何と言うこともない一通の手紙……
ちせ「何の変哲もない文(ふみ)のように見受けられるがの?」
ドロシー「同感だ……と言いたいが、差出人の名前がないな」
プリンセス「……ええ」
アンジェ「それで、文面は?」
プリンセス「それが……」
…プリンセスが封筒から取りだして便せんを見せた……そこには黒い筆致でひと言「お前は王女殿下にふさわしくない」とだけある…
ドロシー「……まさか」
アンジェ「いいえ。内務省にチェンジリング作戦が気づかれた様子はない……それにもし気づかれたとしたらつまらない脅迫状を送りつけてくる前に別な手段で接触してくるはず」
ちせ「しかしこの文面、はなはだ穏やかではないのう」
ドロシー「プリンセス、この手紙を見つけたときの状況は?」
プリンセス「ええ、そのことなのですが……」
…前日・プリンセスの執務室…
初老のお付き「……王女殿下宛のお手紙でございます。返事は祐筆が当たり障りなく書き上げておりますので、末尾のサインだけお願い致します」
プリンセス「ええ、ありがとう」背もたれの真っ直ぐな椅子に姿勢良く座ると、机にきちんと積み上げられた手紙の山に立ち向かう……
プリンセス「いつもきちんと整頓してくださって本当に助かります、ミスタ・ケイル」
お付き「もったいないお言葉にございます」
…国民からの人気も高いプリンセスには山のような手紙が毎日のように送られてくる……届いた手紙類はまず王宮付の事務官が開封して毒物や刃物が入っていないかを確かめ、それから文面を確認して頭のおかしい人間から送られたものや極端な意見のもの、罵詈雑言をつづったものはプリンセスに渡すことなくすぐさま内務省の担当官に送り、差出人の住所や氏名を記録した上で要注意人物のリストに載せ、特に危害を加えるようなことをほのめかしている場合はスコットランドヤード(ロンドン警視庁)や内務省の職員が対象人物の監視を行い、場合によっては逮捕を実行する…
お付き「こちらの手紙は全て一般市民からのものですので、王女殿下におかれましてはお名前だけ添えていただければ結構です」
プリンセス「はい」
…また、市井の人々からプリンセスに宛てた善意あふれる手紙に手作りのお菓子や食べ物が添えられていることもあるが、こうしたものも全て毒殺の危険があるためプリンセスには渡る事なく処分される……そして「安全な」手紙だけがより分けられて手元に届くと、あとは祐筆が通り一遍の返事を書き、それにプリンセスがサインを添える…
お付き「これらの手紙はサー以上の称号を持つ方々からですので、軽く一筆添えて下さいますよう」
プリンセス「分かりました」
お付き「そしてこちらはウェストミンスター大僧正からのお手紙ですので、王女殿下じきじきにお返事をしたためていただきたく存じます」
プリンセス「そうします」
…昔ながらの慣習が根強く残っているアルビオン王室では羽ペンも盛んに使われているが、新しい試みにも積極的なプリンセスは手紙の返事や私信には金のペン先がついた万年筆を使うことが多く、手際よくペン先を走らせると祐筆の文章に添えて心暖まる気づかいを示したひと言を書き、流麗な花文字でサインを入れる…
プリンセス「わたくしのことを思って筆を取って下さった方がこんなにもいるのね……この方々のためにも頑張らないと……」
プリンセス「まぁ、ふふっ……♪」
…堅苦しく、場合によっては策謀が渦巻く王宮にあってはなかなか心安らかな時間というものは取れないが、自分に宛てられた手紙をさっと読み通していると、時に心なごむような文面であったりちょっと面白いような内容を見つけることがある…
プリンセス「……これでお返事は全て書き終えましたわ」はじめは手首や指が痛くなり泣きたくなる返事書きだったが、今はペンの使い方を心得たからか手際よく終わった……
お付き「結構でございます、ではあとはわたくしめが」
プリンセス「お願いしますね」
…しばらくして…
プリンセス「……あら?」
…席を外し戻ってくると机の上に封筒が一通だけ置かれている……うっかりやり残していたかと手に取り、事務官によって開封されていないことに首をかしげつつもペーパーナイフで封を切って文面を確かめた…
プリンセス「……っ」
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