ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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777: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2026/07/23(木) 00:06:40.78 ID:+MFf+0Cf0
アンジェ「……貴女がモテるかどうかはさておき、他にも情報を探る必要があるわね」

ドロシー「ああ……やつが発信しているモールス電文の強度から位置を割り出していくことにしよう」

アンジェ「電波の三角測量法? あんなの技術的にはまだあてになるようなものじゃないし、そもそも電文を傍受するオペレーターが最低でも三人は必要よ」そういうと露骨に眉をひそめた……

ドロシー「問題があるか? 無電を扱うのは私とお前さん、それにベアトリスでちょうど三人じゃないか」

アンジェ「ベアトリスを単独で使うのは不安があるわね」

ドロシー「そりゃあ荒事に使うには頼りないが、メカや技術に関しちゃなかなかだぜ?」

アンジェ「それは分かっているわ」

ドロシー「なら何が不満だ? プリンセスを安易に使うのはもっと反対だろうし、ちせは刃物なら一流だが通信機なんてからっきしだ。ベアトリスができるんだから……ごほん……ベアトリスを使おうじゃないか」

アンジェ「どうしたの?」

ドロシー「いや、大したことはない……ちょっとつばをのみ損ねてな」

アンジェ「年寄りの証拠ね。いいわ、納得したわけではないけれどとりあえずはその方向しかないようね」

ドロシー「そういうこと。やつの定時連絡は曜日も時間も決まっているが、おそらくは数日おきにパターンを変えているはずだ。そいつを変えられる前に尻尾をつかみたい」

アンジェ「ええ」

ドロシー「まずは通信機のあるネストから任意の三か所を選び出して電波の強度を測る……方位は分からないが、強度からある程度の位置が絞り込めればそれだけでもずいぶんマシになるはずだ」

アンジェ「そうね」

…放課後…

ドロシー「さてと……ベアトリス、それじゃあお前さんにも協力してもらおう」

ベアトリス「分かりました、何をすればいいんですか?」

ドロシー「今回は特定の時間にネストのひとつで通信機を立ち上げ、モールス電文に聞き耳を立ててもらうってお仕事だ」

ベアトリス「一人で、ですか?」

ドロシー「ああ、もう子守りの必要な年頃じゃないだろ?」イヤミに聞こえないように軽い口調でそういうとウィンクを投げた……

ベアトリス「ええ、まぁ……それで?」

ドロシー「分かっているとは思うが電文のモールス信号は距離が離れるほど電波、つまり音が弱くなる……ちょうどこんな具合に波紋になって広がっていくわけだな」ティーカップの紅茶に角砂糖をひとつ落とした……

ベアトリス「はい、それは知っています」

ドロシー「今回はその電波を探り、この同業者がロンドンのどの辺りから電文を叩いているのかつきとめたいってわけだ」

ベアトリス「質問をいいですか?」小さく手をあげるベアトリス……

アンジェ「どうぞ」

ベアトリス「ドロシーさんが紅茶で見せてくれたようにモールス信号は全方位に広がっていきます。それを聞いただけではどこからの発信かは突き止められないと思いますけれど……」

ドロシー「そいつはまったくその通りだが、それは一か所から聞いた時の話だ。今回は私、アンジェ、それからお前さんの三人が別の場所で同時に電文を傍受する。そうすれば信号の強弱である程度の位置が推察できる。それにモールス通信機は電気を食うしハンドバッグに収められるほど小さいものでもない。隠せる場所となるとおのずから限られてくる」

ベアトリス「なるほど」

…アルビオンの技術力がいかに優れているとはいえ、まだまだモールス通信機は小さなものではなく、情報部員にとって便利ではあるが隠しどころに困る厄介者でもあった……通信機の音質や距離もそこまでではなく、シティ(金融街)や貿易会社、船会社といった民間での無電通信も急増するなか混信も起こりがちで、使われるのは速報性の高い通信か、伝書鳩やメールドロップを使えない場合に限られていた…

ドロシー「納得してくれたか?」

ベアトリス「はい。あと一つ提案が……いいですか?」

ドロシー「おう。遠慮することはないからどんどん言ってみろ」

ベアトリス「モールス通信機ですが、実はちょっとした考えがあって……ちょっと待っていてもらえますか?」そう言って立ち上がるとどこかに出ていった……

ドロシー「……なんだろうな?」

アンジェ「さあ」



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