ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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776: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2026/07/10(金) 01:16:56.69 ID:4V2iKZOq0
…数時間後・部室…

ドロシー「……というわけだ」

アンジェ「そういう浮かれているタイプは必ずボロを出す、そこを押さえればどうとでもなる」

ドロシー「そう上手くいきゃいいんだがね……とにかくしばらくはこっちにかかりっきりになるし、日常の定時連絡やなにかは出来るだけベアトリスにやらせよう」

アンジェ「そうね」

ドロシー「プリンセスとちせは今のところ普段通りだが、場合によっては使うこともあるかもしれない」

アンジェ「ちせが物理的に排除する機会があるかもしれないと?」

ドロシー「そこなのさ」すっかり冷めた紅茶をすすり、眉をしかめた……

ドロシー「いくらそいつが最上級のエージェントだとしてもだ、通信は傍受される可能性があるし……実際そうなったわけだが……無電や伝書鳩、メールドロップでやりとりするにはデリケートすぎる情報だってある。絶対にどこかで担当の管理官とコンタクトしているはずだ」

アンジェ「その担当官を探し出す気?」

ドロシー「ああ。本人が壁の向こうにいるんなら手が出せないが幸いこっちにいるんだし、管理官が誰か割れれば芋づる式にそいつの正体も分かる」

アンジェ「もっともね」

ドロシー「……が、そうなるとプリンセスにもご出馬願うことになるかもしれないな」

アンジェ「プリンセスに頼むのは最後の手段ね、うかつに嗅ぎ回ったらプリンセス自身に危害が及ぶ」

ドロシー「分かっているさ。だが相手の「産物」(プロダクト)は超一級品だ。今はまだ大丈夫だが、もし「チェンジリング」に勘づかれたらおしまいだ」

アンジェ「……」

ドロシー「分かってる、こっちだって必要以上にプリンセスの立場を危うくしたいわけじゃない……とはいえどうしようもない場合もあるってことを覚えておいてくれ。そうならないよう努力はするがね」

アンジェ「ええ、私も出来る限りのことはする」

ドロシー「よっしゃ。それじゃあ私は今夜から「会員制婦人サロン」にしけ込むとするかな」

アンジェ「……どういうつもり?」

ドロシー「知れたことさ。腕利きエージェント、それもこれだけの千両役者となると管理官はノルマンディ公のところ……つまり内務省で間違いない。それで、だ。こちとら内務省課長級の奥様とすっかりねんごろだって話は前にしただろ?」

アンジェ「浮気性な女が持ってくるゴシップに興味があるわけじゃないわ」

ドロシー「へっへっへ……それがその奥様、冷え切った結婚生活なのは亭主が省内で美人の秘書かなにかを抱えているためだと思っているらしくてな。証拠探しに持ち帰り仕事の書類を盗み読みしては、その内容を不満と一緒に私にぶちまけてくれているのさ」

アンジェ「部外秘の書類を持ち帰り?」

ドロシー「敵ながらノルマンディ公の能率的な仕事ぶりを考えたら書類の処理がおっつかないのも無理もないさ……ともかく、書類の持ち出しは公務員の機密保持規則違反で厳罰だから、もし亭主が細君の盗み読みを見つけたとしてもうかつに報告することさえできない……重い規則違反をやらかした部下にノルマンディ公がどんなこの世の果ての植民地のポストを見つけてくるかを考えたら、こっちだってぞっとするね」

アンジェ「それが保険になると」

ドロシー「ああ。そういうパブリックスクールのガリ勉タイプは中途半端に頭が回るから自分でどうにかしようとするし、同時に気位が高くて役職のことばかり考えているから、それを守るためなら口も閉じるし脅しも効く」

アンジェ「あるいはパニックを起こして大騒ぎをするか……あてにならないわ」

ドロシー「大金でもせびればそうなるかもしれないが、こっちはそんなつもりがないからな……それに、まさか自分の細君が婦人サロンで若い女相手の寝物語(ピロートーク)に省内の機密情報をくっちゃべっているとは思わないだろうよ」

アンジェ「……若い女?」

ドロシー「おい、私だってまだ充分に若いだろ」

アンジェ「そういうことにしておくわ……とにかく方向性は了解した。私も別口で相手の管理官を探ってみる」

ドロシー「よろしく頼む……へっくし」

アンジェ「噂でもされているのかしら?」

ドロシー「かもな、モテる女は辛いもんだ♪」


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