アライさんは神様が守ってくれるのだ
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4: ◆yWlv.1MHkTeb[sage]
2018/04/09(月) 03:22:50.24 ID:zEdVITQb0
その時、頭上から穏やかで、そして柔らかい少女の声がした。

「あら…あらあら。怪我をしているのね」
アライちゃん「のりゃ?」

アライちゃんは頭を上げる。その視線の先には優しむ微笑む青い目の少女が居た。
身長はかなり低い。140センチにも届いていないだろう。
年齢は10歳前後に見えるがその仕草や笑顔に少女のあどけなさは全く無い。
上下が一体化したロングスカートで紺色の修道服を着た、その細身の少女は笑顔を崩さないままアライさんに言葉を投げる。

修道服を着た少女「怪我の具合はどうかしら。あら、ひどい。よいしょっと…」
アライちゃん「のりゃ?」

少女はポケットからスプレーを取り出すとアライちゃんの両手に吹きかけた。

アライちゃん「いいぃしみりゅのりゃあああ」
修道服を着た少女「あら、あらあら。ごめんなさい。でもこれで血は止まるはずよ?その両腕はどうしたのかしら?」
アライちゃん「おかーしゃんやおねーしゃんたちとこんびににいったのりゃ・・・でもあらいしゃんはてんいんさんにつかまったのりゃ」
修道服を着た少女「可愛そうに、お腹が空いていたのですね。丁度パンを買っているのです・・・が、その手では一人では無理そうですね」

少女はしばらく思案すると、何かを思いついたのか手を合わせた。

修道服を着た少女「そうだ、あなたの家族の住んでいる場所にまず行きましょう。そうして貴方を病院に連れて行って良いか聞くのです」
アライちゃん「ありゃいしゃんはみすてられたのりゃ・・・かえれないのりゃ」

そう言って血まみれのしっぽをなんとか動くようになった両手でなでながら暗い顔でつぶやくアライちゃんに、少女は微笑んだまま返す。

修道服を着た少女「あら、あらあら。大丈夫ですよ。家族の愛は尽きないもの。それに私は食料を持っています。それをあなたの手柄にしてしまえば良いのです。きっと家族も喜んでくれるでしょう」
アライちゃん「え?いいのりゃ?ひとしゃん」

スプレーの効果なのか、それとも突然やって来た幸運のおかげか、アライちゃんは腕の痛みを忘れて笑顔になった。
少女はアライさんの笑顔を見て、人差し指を立てた。

アネモネ「私の名前はアネモネと言います。ですが皆さんは私をシスターと呼んでくださいます。うふふ、これでも成人した立派な大人ですよ?」
アライちゃん「ししゅたー・・・あぬぇも・・・あにゃもにゃ・・・ししゅたーしゃん」
アネモネ「ではアライ・・・ちゃんかしら?あなたのおうちは何処かしら?これから貴女を救うお許しを頂きに行きましょう」
アライちゃん「のりゃ!ししゅたーしゃんはいいひとなのりゃ!とくべちゅにおうちをおしえるのりゃ」
アネモネ「ええ、ええそうでしょうか。私は皆様をお救いするのが役目なのです。これくらいお安い御用。では車を呼びますね。その怪我ではそちらの方が良いでしょう」

少女は微笑んだまま携帯電話を取り出すとどこかに電話をかけはじめた。

アライちゃん「ふふふ・・・おかーしゃんやおねーしゃんとまたくりゃせるのりゃ」

アライちゃんはこのシスターの笑顔に釣られてだんだん元気が出てきた。彼女の微笑みは、そう、とても幸せそうなのだ。彼女はとても幸せそうに見えるのだ。
その心底幸せそうな表情のおかげで、アライちゃんは生きる気力をまた掴み取ることができたのだ。
しっぽに付いた血も乾き始めた。この腕が治ったらこのしっぽを綺麗にしよう。疲れが限界を迎えたアライちゃんはそう夢見ながら、しずかに眠りに落ちた。





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