55:名無しNIPPER[saga]
2018/05/20(日) 14:15:50.62 ID:SIhOl07b0
〜都内某私立大学、研究室〜
指導教官「そういえば、修士論文のめどはついたかな?」
楓「先行研究は調べつくしていて、結論もある程度固まっているので、そろそろ本腰を入れて書いていこうと思います」
指導教官「そうか。いやいや、安心したよ。文系の大学院に進学した学生となると、この時期は就職活動なんかで見ていられないぐらい疲弊している学生もいるからね。高垣さんはあまり無理をしていないようでよかった」
楓(確かに、別の世界から遷移してきたというのもあるけど、あまり深刻に自分の近い将来を考えていませんでした」
指導教官「高垣さんは就職活動をしているのかな? それとも、はたまたD進か」
楓「色々相談すべき相手がいるので、もう少し考えてみます」
指導教官「うむ、そうか。まあ君なら大丈夫だろう」
指導教官「そうだ、少し頼まれてはくれないだろうか。実は私の娘がね、中学受験を控えているんだが、なかなかどうして文系科目に苦手意識があるようで、賃金ははずむから家庭教師をしてほしいんだが……」
楓「娘さんの?」
指導教官「ああ。今日はたまたま妻と一緒に大学に遊びに来ているから、いま呼ぶよ」ポチポチ
楓(先生には日ごろお世話になっていますし、こういうときくらい力になってもいいかもしれませんね)
コンコン
指導教官「おっ、来たかな? どうぞ」
ガチャ
女性「失礼します。ほら、いらっしゃい」
女の子 トテトテ
楓(そのとき、私は油断していたのか、目の前の景色に対してどきりとしてしまい、心臓が口から飛び出てしまうような気がしました)
楓(だって――)
指導教官「ほら、挨拶しなさい」
女性「ちゃんとあの人の顔を見て挨拶するのよ」
女の子「――っ」
楓(この子は――)
女の子「あ、あか、ぎ、……みりあ、です」
68Res/51.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20