112: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2018/05/15(火) 07:17:49.59 ID:L8XfZl3U0
だが、美しくとも――――人とはかけ離れた特徴がやはりある。
後ろからでも見てとれる……小さなあどけない頭に存在を主張する、ねじれ尖った山羊の巻き角。
それは彼女の頭部と比較してみると、重心を大きく狂わされそうなほどに逞しい。
薄く張り出た肩甲骨のやや下部から生えていたはずの翼は影も形も無い。
己の意思で収納できるから、今は気遣い消しているのか――――。
そこから徐々に視線を下ろしていけば、やわらかな円みを帯びた尻、その切れ目の始まる頃の場所から“尾”が伸びている。
短いベルベット地にも似た体毛が湯で濡れて光り、深みを持つ紫色に輝いていた。
その先端は矢じりのように、あるいは――――心臓を、“心”を示す図案のような形を描く。
サキュバスBの後ろ姿は、今の自身と比べれば変わりないほどの背丈で――――可憐な少女の背中そのものだ。
全てが美しく均整がとれ、はなはだしく主張する凹凸もないのに弾けるような瑞々しさに溢れ、何より……見合わぬほどの色気を放っていた。
背筋の切れ込み、薄い肩甲骨、小さく丸い尻、細い鎖骨。
すべて、すべてが――――触れれば溶けてしまいそうな少女の姿のまま、男の情欲をくすぐるまでの色気を宿し、催すような香りを放っていた。
――――それを、勇者は受けた。
――――鋭敏になった、五感と――――その奥底にある、雄の本能そのもので。
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