淫魔の国と、こどもの日
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
176: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2018/05/22(火) 03:44:22.65 ID:WTvi5IbN0

勇者「……っくしゅ!う……まだ、寒いな。上に羽織るものも無いんだもんなぁ」

しかし郷愁にひたる暇もなく、寒さにくすぐられた鼻がくしゃみを誘う。
朝の空気は、だいぶましになったとはいえまだまだ冷たく、まして今の勇者にはなおの事。
シャツの袖で鼻の下を擦りながら、朝の散歩を楽しみ――――ふと、蹄の音に気付き振り返る。
そこには、いつにもまして大きく映る馬体。
黒く澄んだ目を朝焼けに輝かせながら、生け垣を食み、くちゃくちゃと噛み慣らしながら耳をくりん、と一回転させ、勇者を見下ろしていた

勇者「なんだ、お前も散歩か?……こうして見ると大きいな、ナイトメア」

ナイトメア『――――フッ』

勇者「……おい、お前今せせら笑っただろ。おい」

馬の姿のまま、“彼女”は口の端を持ち上げ、言葉にする事無く嘲るような表情を作る。
追求してもどこ吹く風とばかりに蹄を鳴らし、敷かれた石畳に音を立てるばかりだ。
やがて舞い飛んできた蝶を鼻先に止まらせるとそのまま瞬きほどの間に身体が縮み、もうひとつの姿へ変わる。

ナイトメア「……ちっさ。プッ……」

勇者「貴様」

顔の真ん中に蝶を止まらせたまま、今の勇者とそう変わらない――――
否、少しだけ背の高い白金髪の貫頭衣の少女が、今度ははっきりと、笑った。



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