淫魔の国と、こどもの日
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
72: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2018/05/11(金) 23:33:29.20 ID:A81DMCj70

時にして、ほんの数秒。
ただおずおずと唇を触れ、擦れ合わせるだけのついばむようなキスだった。
そんな、罪のないひとときのキスが――――勇者の背骨を貫くように、甘く痺れさせた。
唇が舌の一部となってしまった、そのような錯覚すら抱いてしまう。
味を受容する器官ではないはずの唇に、確かに一瞬とはいえ感じたからだ。

勇者(っ……感、覚……が……!)

普段なら起こらない甘い電流にも似た感覚に、勇者はひとり驚く。
それは、少年の身ゆえに起こる、敏感すぎる触覚がそうさせたものだ。
繋いだままの手からもそれは伝わる。
普段なら気付けないような、堕女神の手に走る血管の脈動、整えた爪の艶、
さらには産毛ひとつない肌理細かい肌の細胞ひとつひとつまでなぞれるような鋭敏な触覚にようやく気付く。
痛覚だけではなく――触覚も。
少年の姿に変わってしまったからこそ、全てが鮮烈な刺激へ返ってしまっているのだと。



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