モバP「アイドルをオモチャにするクスリ 三船美優編」
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◆FreegeF7ndth
[saga]
2018/06/16(土) 18:34:20.26 ID:bupRRmBeo
●1-01
フロアに人がほとんど居なくなった遅い時間の事務所で、
プロデューサーさんは小さな無銘の容器に入りの、透明でサラサラした液体を私に見せてきました。
「美優さんに宣伝を頼みたいのですって。コンセプトは、男女の仲を深める魔法のオイルです」
「プロデューサーさん、それって私にできるお仕事なんですか……?」
「これは女性が買って、意中の男性に『塗って』って頼んで、自然にボディタッチをすることで、
急接近させる――と使えってシロモノなんですよ」
プロデューサーさんは「本当に私にできるのだろうか……」という仕事も、平然と獲ってきます。
アイドルになったとはいえ、華があるとは言えない私に、こんな仕事を……。
「というわけで、俺が実験台になります。さぁ頼んでみてください。塗って、って」
「え、今、ここでですか……?」
男性に自分の体を触れさせるよう誘導する――
そんな商品なんて、OL時代の私であったらとても買えないでしょう。
「ほら、今日も遅くまでお仕事でお疲れでしょう? 疲労回復、血行促進効果もあるんですよコレ」
「じゃ、じゃあ、せっかくなんで、お願いします……プロデューサーさん」
私はプロデューサーさんに押されて、提案に首肯していました。
空調と蛍光灯の響きだけがちらつく静かなフロアで、
私は手すりのないビジネスチェアに腰掛けていました。
水のようなオイルを湯煎で少し温めて、手のひらいっぱいに垂らしたプロデューサーさん。
大きく広げられた手を見ると、ふと初めて出会った日のことを思い出します。
少し背伸びするつもりで買ったヒールが折れて、それと同時に私の心も折れかけていたところ。
そこにプロデューサーさんが声をかけてきてくれて……。
「美優さんも、手を軽く広げてください……まずは、指先からいきましょう」
手のひらを重ね、指と指が絡まると、体温と、筋肉と、骨やら関節やら、
私よりゴツゴツとたくましい手の感触が頭に流れ込んできて、なんだかドキドキします。
手が触れ合ったのは、出会った日の、うずくまっていた私を起こしてくださったとき以来でしょうか。
指の間のわずかな水かき同士が食い込むと、プロデューサーさんに体を包み込まれてる気がします。
でも、手のひらと手のひらが着いたり離れたりでくちゅくちゅ水音がして、ちょっといやらしい……なんて、
お仕事でやってくださっているプロデューサーさんの前では、言えるわけもありません。
それとも、そこまでがこの商品の狙いなのでしょうか? まるで恋人同士のようです。
「んんっ……」
今度は手首を外側に曲げて、柔軟運動のように伸ばします。
オイルが垂れるから、と私は袖をまくってもらいました。
垂れて透明な筋がついた前腕の部分から、さっき指で感じた感触がじりじり延びてきます。
そのままプロデューサーさんは親指で私の手のひらをグリグリと刺激します。
ツボ押しマッサージされている気分ですが、それよりも余韻が熱くちりちりと残って、
刺激が積み重なると、つい声が出てしまいます。
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