1:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 01:26:05.82 ID:A9qvUhnJ0
それは真夜中の出来事だった。
不気味なまでの静けさが漂う森の中でそれは起きた。
静寂を切り裂くかのように4つの影が木の葉を散らして駆け抜ける。
ご存知、アライグマ人間のアライちゃんだ。
某アニメのアライグマ少女とは外見以外は一切関係のないそれは、今日もトウモロコシ畑から略奪を行ったのである。
アライちゃんA「うんめゃぴゃはらぁ!ちょわぁぁぁ!」
アライちゃんB「あまぁいあまぁいトウモロコシなのらぁ!」
アライちゃんC「きゅうっ!きゅうっ!」
不気味な怪奇音を発するそれは、猛スピードのよちよち歩きで駆け抜けていく。
2:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 01:41:09.75 ID:A9qvUhnJ0
そして目前に迫る本拠地の木。ここに着けばもう安心だ。
スピードを上げ、猛然とよちよち歩きを行うアライちゃん達。
だが!
ディスパイザー!!
3:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 01:49:13.37 ID:A9qvUhnJ0
アライちゃんC「あ、アライスローター…?」
彼女達は知能が著しく低い。故に理解そのものができない。
アライスローター「人類はアライグマインフルエンザにより滅亡し、いまやあの農家のご老体しか生き残っていない。私の任務はその要因となったアライグマ人間の殲滅だ」
4:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 01:58:45.80 ID:A9qvUhnJ0
なんと残酷な運命か。アライちゃん達の母親は既に駆除されていたのだ。その傷から察するに…
木の上で休んでいたところを背後から尻尾を掴まれ地面に叩き落とされる。
そのまま暴言を吐く間もなく鉄拳が二度三度飛ぶ。鉄骨を折るパンチ力だ、凄まじい威力だろう。
自分が食べ物を取りに行かず子供に死を覚悟で食べ物探しに向かわせた彼女の最期としてはあまりに悲劇的である。
…いや、まだ死んでいない。顎関節が外れてジム・キャリーの顔芸のようになった滑稽な表情となった。
5:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 02:05:52.17 ID:A9qvUhnJ0
そして厳しく自分勝手なお母しゃんが亡くなったとなれば次の標的は…
アライスローター「首かけアタック!!」
アライちゃんB「でゅえ!?」
6:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 02:10:48.36 ID:A9qvUhnJ0
アライちゃんC「助けてくれ〜っ!!」
この隙を見て逃げ出すC。逃がすかとばかりに絶妙な歩行スピードで追いかけていくアライスローター。
果たして、この末には何が待っているのか。勝つのはアライか、スローターか。人類は滅亡したのか。
その答えを知る者はいないまま、夜の闇は静かに一人と一頭の逃走劇を見守っていた…。
7:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 04:03:03.73 ID:VIASSuYy0
なんかすげぇな
8:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 04:15:39.81 ID:1FubN1jz0
乙
つづきあるー?
9:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 06:00:35.35 ID:sWJIs6Gqo
乙
この世界はもうアライさんに支配されてしまっているのでは…?
10:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 07:55:12.52 ID:eBJOcjKg0
乙
マッポーな世界観っぽい
11:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 16:34:52.52 ID:UoUZr64do
この超越的な日本語力
アンチスレの巨匠かな?
12:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 22:50:42.02 ID:A9qvUhnJ0
アライスローター「あー暇だな〜」
尻を掻きつつ日曜日のおっさんスタイルでその場に寝転ぶアライスローター。彼の使命はアライグマ人間の殲滅その他諸々。
故に近くに生体反応がなければ特に何をすることもないのだ。
だが、彼の暇な時間は刹那で終わりを告げた。
13:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 23:01:03.44 ID:A9qvUhnJ0
不思議とアライスローターはそのアライグマ人間に対して敵意を覚えることはなかった。害獣センサーが作動しないのだ。
故障を疑ったが先程の仕事で直したばかり。つまり正常なセンサーがそれを敵として判断しないものと見たのだ。
それに見たことのない姿をしている。嗜虐を誘発させる稚拙な絵柄のような容姿でもなければ目が点々でオムツを履いた姿でもない。もちろん最近画力を上げてきた人の個体らしくもない。
一体何者なんだろうか?考える間もなくアライグマ人間は覚醒した。
14:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 23:09:43.00 ID:A9qvUhnJ0
アライスローター「気がついたか。君は誰だ?」
覚醒から間髪入れずに質問を行うアラスロ。そこはもう少し待とうよ。
ラッセル「僕はラッセル。アライグマ人の兵士だ。君は?」
15:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 23:17:36.97 ID:A9qvUhnJ0
その数は20を超えているが、その20のアライちゃんが一頭のアライちゃんを嬲っていた。
アライちゃん?「や、やめてくれー!」
アライちゃんA「オスのアライちゃんがいるぞ!汚らしい!(意訳)」
16:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 23:27:56.41 ID:A9qvUhnJ0
アライG「でゃぱろるぅぉったっ!ぴぇやぁぁあ!やめでぇぇぇ!」
アライJ「じゅあおうぁ!みゃぁうあっあっ!」
実際のアライグマの赤ちゃんの苦しむ声のような雄叫びが海岸に響き渡る。そして解体が終わり、アライちゃん達の各部は今日のシオマネキの貴重な栄養源として再利用されることとなった。ところで他のアライちゃん達はどこへ?
17:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 23:35:36.62 ID:A9qvUhnJ0
アライスローターはチャンスとばかりに自前のライターをアライちゃんたちに放り込む。そしてアライちゃんMが放屁をした瞬間、
ドボォォォォォォォォォォォ!!!
やびぁォォォォォォォォォォォォォ!!!!!
今日一番の熱気がこもった炎がアライちゃん達を包み込む。
18:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 23:43:48.84 ID:A9qvUhnJ0
アライスローター「…つまりだ、ラッセルは帝国軍の攻撃を食らったらこの世界へ飛ばされて、そこのアライグマは親の目を盗んでどんぐりを取ろうとしたら転んでここに来たということか」
アライちゃん?「あの…」
アライスローター「どうした?」
19:名無しNIPPER[sage]
2018/07/24(火) 06:59:24.76 ID:tsFODB0No
理解できないのは俺の日本語力が低いせいかな
20:名無しNIPPER[saga]
2018/07/26(木) 21:39:31.11 ID:/nhh0bdUO
>>13
>嗜虐を誘発させる稚拙な絵柄
>目が点々でオムツを履いた姿
>最近画力を上げてきた人の個体
21:名無しNIPPER[sage]
2018/07/28(土) 05:40:50.43 ID:tl7KzPdc0
アライスローターは 悩んでいた。
新たな仲間も加わり、目まぐるしく変わっていく周囲の状況に自分が置いて行かれないか心配だったのだ。
つい最近まで打倒アライグマ人間の使命のため戦っていたにもかかわらず、今は別世界の二人の迷子のアライグマ人間を元の世界に戻すために奔走している。
自分の本来の目的を見失ってしまうことが怖かったのだ。
自分はなんのために作られたか。なんのために存在するのか。
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