3: ◆vNoifR2vNc[sage]
2018/08/05(日) 17:54:49.29 ID:++ozN2Tl0
「あっ、Pさん!ご、ごめんなさい、急に呼んでしまって……!」
智絵里は、俺の顔を見つけるとそう言って申し訳なさそうに謝ってきた。
……が、それよりも。智絵里をたしなめつつ、気になることがあった。
「……?顔に何かついてますか……?カニさんでもいましたか?」
……そう。智絵里の服装は、桜色のパーカーを着てはいるが、どう見ても水着なのである。もう、大丈夫なのだろうか。
一応、夜になっても水着でビーチを歩いている人はいるので、おかしくはないが。
なんでもないよ、行こうかと促すと、智絵里は嬉しそうに笑ってついてきた。
「潮風、とても気持ちよくて……ふふっ、ぱしゃぱしゃ、楽しいです」
歩いている途中、ふいに、智絵里は波打ち際へ寄っていくと、小さな水しぶきを立てながらまた微笑んだ。
こうして笑っている智絵里は、アイドルとして振舞っているときとは違う可愛らしさを表出しているように思えた。
「昼間は、恥ずかしくてあまり歩けなくて。……今なら、いいですよね」
ああ、そういうことだったのか。俺は得心すると、智絵里に近づいて行って、両手で少量の海水をすくいあげる。
「あっ、Pさんもぱしゃぱしゃ、しますか?……きゃう!」
そのまますくった水を智絵里の小さな体めがけて強すぎず弱すぎない程度の勢いでかけてみた。
「もう、いじわるしちゃだめですよっ。こうなったらお返ししちゃいます。えいえいっ!ふふ、えへへっ」
一瞬驚いた智絵里だったが、照れたような表情を見せながら笑って、俺に水をかけてきた。
子供のようにはしゃぐ智絵里を見て、どこか安心したのを隠すように、俺もやり返してみる。
智絵里のパーカーも俺のポロシャツもあとで洗えばいい。今は、おそらく智絵里も、この時間を楽しみたかった。
30Res/37.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20