21: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/08/23(木) 02:37:16.77 ID:JSsbPllS0
「周子……」
あたしはプロデューサーさんを見下ろす。どんな表情なんだろう、あたしが影になっているせいでよく見えないや。あたしを呼ぶ彼の声は、いつもより苦しそう。
「……あたしとこういうことを、これ以上したくなかったら、今すぐ突き飛ばして」
あたしは、目の前の男に選択を投げかける。あたしはアイドルで、この人はプロデューサーだ。こんな関係、あたしが望んでも彼は望まないだろう。
だから、これは選択にも似たお願い。熟女趣味で、あたしに興奮できないってのならいますぐやめる。嫌いなら、諦める。突き飛ばしてくれたなら、拒否してくれたなら、この思いはもう二度と表に出さないから。
雷がどこかに落ちた。一瞬だけ、部屋の中に閃光が満ちる。その後に轟音が響いて、体の芯まで揺さぶられた。
彼は、あたしの質問に対して何も言わず、ただ、あたし抱き寄せられた。「ごめん」と呟いてから、あたしの髪の毛を撫でた。
優しく撫でるだけで、彼はあたしを突き飛ばすことも、拒否することもなかった。答えはきっと、そういうことなのだろう。
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