塩見周子「大人」
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4: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/08/16(木) 01:11:26.68 ID:TF1khxEw0

Pさんの家にこうして来た回数は、もう両手の指以上はあると思う。初めて会ったときもそうだし、終電がなくなったとき、Pさんの手料理を食べたくなったとき、新しいドラマを見たいとき……まあ色々と理由を付けて、あたしはここに上がり込むのだ。

「取りあえず風呂入れ、着替えは置いとくからな」

彼に促されるまま、あたしはお風呂場に行く。ずっと生返事しかしないあたしと同じように、彼も口数は少なめだった

浴室の中は、屋外と同じくらい湿度が高かった。冷たくなった体を徐々に温めるように、シャワーを浴びていく。シャンプーとリンス、ボディーソープは、こないだあたしが置いていったものを使った。「置いていくなふざけるな捨てるぞ」、なんて言ってたのに、やっぱりそのままにしておいてくれてた。

体の汚れを落とした後に、湯船に浸かる。1人じゃちょっと狭いくらいだけど、膝を折りたためばちょうどいい。

浴槽で目を閉じて、さっきの夢のことを必死に忘れようと務めた。でも、嫌なところだけが、頭にこびりついて離れなかった。そして、すれ違った時に見たPさんが、どうしても忘れられなかった。あの顔も、足取りも、ネクタイの色も、全てが全てが頭から消えていかない。

また、胸の奥から何かがこみ上げる感覚がした。嫌な感覚だった。それを忘れることもできなかった。




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