15: ◆yufVJNsZ3s
2018/10/19(金) 01:22:26.65 ID:0J++fsfw0
「……ねぇ」
「なんだ」
「私、あなたが好きよ」
「……ありがたいが、唐突だな」
困った声。してやったり、僅かな勝利の高翌揚さえ感じる。
奇妙な感覚。怒りにも似た。
「顔が好き。声が好き。背格好が好き。性格が好き。
残しておいた好物を食べる表情が好き。仕事で詰まったときにペンで顎を押さえる仕草が好き。判を押そうとしても少しだけ斜めになるところが好き。卸したてのシャツと制汗剤の混じった匂いが好き。毎週金曜日に私がクリスマスに贈ったネクタイをつけてくれるところが好き」
私は、随分と自らの言葉を適切に表現することが不得手だから。
たとえば小説家のように、エッセイストのように、詩人のように、想いをかたちにすることは到底できなさそうなので。
「羅列するわ。覚悟しておいて」
お疲れのところ申し訳ないけれど、私は最早、今晩寝かせるつもりはなかった。
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