14: ◆yufVJNsZ3s
2018/10/19(金) 01:21:49.27 ID:0J++fsfw0
私だけを見てという願いはあまりにも自分勝手すぎた。けれども当然の願望のようにも思えた。
だから私は指輪を受け取らなかった。
受け取る権利がないとも思った。
「泣くなよ。参っちまうじゃねぇか」
「泣いてません。泣いてないわ。どこを見てるのよ」
私は服の袖で目元を力いっぱい拭って応えた。
なにより業腹なのは、私のこの気持ちさえも、こいつは理解しているに違いないということなのだ。
だから、
「……暑苦しいのよ」
いつの間にか近づいて、私を抱きしめることさえ躊躇がない。
「突き放してくれてもいいが」
できないことをわかっていて、そういうことを言うんだから。
コミュニケーションはどこまでも不全だった。いや、寧ろ逆か。私たちは文字ではなく意味で会話し、その目的は達せられているのだけれど、それでも私は不完全燃焼に陥っている。
特別になりたいなんて贅沢はいわない。それでも、他のコたちと同じ列に並びたくも、ない。
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