【艦これ】提督「この絶望的な海へと」【あんこ】
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108:名無しNIPPER[saga]
2018/11/08(木) 22:35:59.74 ID:3ICceEiM0

時刻は夕暮れ、処は執務室。
あるのは冷めた玉露と、食べかけの茶菓子と。

後ろを見なくても、分かる。
きっと彼女は、雲龍は傷付けられた顔で潤んだ瞳を伏せているだろう。

俺の胸板から離れていった両腕は自分を抱いているか、所在無さげに垂らされているか。
ただ、差し込む夕陽がおしえてくれている。

彼女は、身動きせずにまだ俺の後ろにいるのだと。



提督「…………俺はこういうやつだし、お前を見ることなんて永遠に無いかもしれん」

雲龍「構わないわ」

提督「構わない、ではない。そうであってほしい、そうであってくれなくてはならない。
それくらい無いと付き合いきれない男だと思うがな」

雲龍「知らない。知らないわよそんなのッ……そんなに言うなら返してよッ! 私の気持ちを返してよッ! 」

提督「返せるものなら熨斗付けて返してやる」

雲龍「ッ……」



背中に当たる声は次第に湿り気を帯びていき。
これ以上続ければ、或いは更に取り返しの付かないことになるかもしれない。

手酷い扱いをしているとはいえ言質の様な形で受け入れると言ってしまったのだ。
ただ単に断ってしまえばよかったものを、何かを得ることができると錯覚したか、見誤ったか。

けれど、もうここから真っ当に逃げることなどできはしないのだ。


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