モバP「他の誰にも」
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15:名無しNIPPER[saga]
2019/01/07(月) 00:24:57.10 ID:Xs3d4B2lO

 たまに教室に居る時、隙を見ては音楽の話を吹っ掛ける。最初の時と同じようにへらへら、のらりくらり、天井に目線を泳がせながら、デビュー前とそう変わらないレベルの知識を並べる。

 いまやドームを埋め尽くす存在になったという自負も、威張りも感じさせず、全くの真似事で付けているだけだろう南京錠のネックレスが細い首に鈍く光り、さらに俺の心をささくれさせる。

いつのにか、まったく手の届く存在ではなくなっていたことを、俺だけが意識していることも。


 こんな形でやり込めたところで何もすっきりしない。

 カフェバーで演った?

 オリジナル作った?

 ブスに告られた?


 それがなんだ?

 それでいくらの金になった?

 それでいくらの再生数だ?

 それの何が嬉しかった?


 まあ、今はまだ遊んでいても大丈夫ですよ、と三者面談で言われた言葉。

たかだか教師に言われた言葉が全てだと気付くまで、あと、もう少し。



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