11:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:27:56.26 ID:3QcdtyFE0
「え? 一旦、って……プロデューサーさん、まだお仕事ありましたっけ?」
「別に、ないっちゃあないですけど」
「だったら、まゆちゃんを送っていただいたらそのまま帰って大丈夫ですよ?」
「え、ええとですね……ちひろさんのお仕事が残っているならお手伝いしたいんですけど」
「どんな風の吹き回しですか」
俺の台詞に、ちひろさんはかすかに口角をあげた。
「お気持ちは嬉しいですけど、大丈夫ですよ。もう少しで終わりますし、プロデューサーさんが帰ったら事務所も閉めちゃうつもりだったので」
「そう、ですか……」
そこまで言われるとこちらからの反撃の材料は何もない。
「プロデューサーさんが私の手伝いをしてくれるなんて、明日は雪でも降るんじゃないですかね。ふふふっ……」
ちひろさんの言葉を尻目に、俺はとぼとぼと事務所を後にした。
落ち着きを見せてきたというのは強がりで、しばらくの間は家に帰りたくない、というのが本心だったのだ。
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