13:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:30:34.21 ID:3QcdtyFE0
もし。
もしもまゆが人形に細工をしていたとして、俺の言葉を聞いた時にどんな行動をするだろうか。もしそんなことがなかったとしても、そうしたら今朝の事はどう説明をすればいいんだ? 大金をかけたであろうプレゼントが怪奇現象を引き起こしたと知って、まゆはどんなことを思うだろう?
……と、長々と言い訳脳内でこねくり回して正当化しようとしたが、要するに俺はビビったのだった。まゆが車を降りて女子寮に消えていく数十分の中で覚悟を決めることができなかった。
そうして今、俺はあの人形の待つ部屋の前で深呼吸をしながら立っている。
何度目かわからないスマートフォンによる時間チェック。今はちょうど20時だから、かれこれ30分は玄関前でうだうだしていることになる。
もちろん、帰らないという選択肢も、朝になってから帰宅することでできるだけ人形と過ごす時間を短くする、という考えも頭にはあった。
ただし、前者の場合はいつまでも先送りを続けなくてはならない。土日の昼に帰ることもできるだろうが、あいにく今日は火曜日だ。着替えだって、仕事に必要な書類だってある。後者ならまだ実現性はあるが、仕事のために睡眠を取ることが一番優先だと思っていたので現実的じゃないように思えた。こうして、思いつく選択肢の中で一番マシなのが「早く帰宅して人形に対処する」というものであると俺は判断したのだった。
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