2: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/12/04(火) 03:24:39.19 ID:4N5ngplN0
○
「もう。何してるの、ほんとに」
私をアンコールへと送り出した少し前まではスーツ姿だったはずなのに。
スタッフさんのポロシャツやらキャップやらはどこから調達したのか、など問い詰めたい気もしたが、プロデューサーの顔を見て、ステージから下がった時とは別種の安堵の気持ちを抱いたことも事実だった。
「お疲れ様。最高のステージだったよ。掛け値なしに」
「うん」
自分でもそう思う程に良いステージにできた自負はあったけれど、やはり自分ではない誰か――それもアイドルとしての私を一番長い間、傍で見ていてくれていた相手――にそう言ってもらえるのは、純粋に嬉しい。
そして、喜びのあまり素っ気のない返事になってしまったことに気がついて「ありがと」と短く言葉を足した。
「さて。汗、冷えるよ。楽屋戻って着替えておいで」
「うん。プロデューサーは?」
「いろいろ根回し。……行くでしょ? 打ち上げ」
「…………行く」
もうわかりきっているかのような口ぶりのプロデューサーに対して、思うところがないでもないけれど、まぁ事実だし、いいか。
なんて、脳内で言い訳をしながら、暗い通路を早足で抜けた。
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