中野三玖「だっかんじぇらしー」
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
30:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:45:46.09 ID:wXoZOq/r0
 とにかく、行くだけ行ってみよう。待っていればそこで謝れるし、いなかったら電話をかければいい。俺がケータイに触らない人間だというのは三玖も知っているので、きちんと説明すれば温情をかけてもらうことも可能だろう。


31:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:46:13.79 ID:wXoZOq/r0
 そんなわけで、ガラにもなく駆け足で図書室を出る。たらたら歩いて近寄って来られても説得力に欠けるだろうから、こういうポーズをとることも大切だ。元から体力はスカスカだから、階段の上り下りで息はきちんと上がってくれるだろう。
 あれこれと策略を巡らせながら、薄暗い昇降口で上靴を履き替える。照明くらいつけてくれよと思ったが、節約を掲げられては言い返す口がない。
 自分の靴箱をなかなか探し当てられずに慌てる。こういう時はかえってゆっくり動いた方が上手く行くものだが、猶予も余裕も持っていない身なので、そんな楽な構えではいられなかった。この間にも言い訳を複数パターン考えて万一に備える必要があったし、そもそも三玖がまだ待っている確証もない。下手をしたら、あいつらの家を訪ねる必要性も生まれ得る。
 今、どうしてもそれだけは避けたかった。流石に現場に戻って平静を装い続けられる自信はなく、光速で馬脚を露すのが目に見えている。二乃とはあれっきりまともな会話もなく、ただジトジトした視線を向けられるだけになってしまっているし、とにもかくにもあの家はまずいのだ。


32:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:47:12.90 ID:wXoZOq/r0
 急げ急げと指差しで下駄箱をなぞって、可能な限り早くオーダーを達成しようとするも、やっぱり靴は見つからなかった。列を間違えているのではとも考えたが、どうやらその線は薄そうだし。
 
「うおっ!」


33:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:47:43.81 ID:wXoZOq/r0
 肩を落としていると、横合いから網膜を焼かんばかりの光が襲ってきた。ぴかぴかと俺を照らす光源は良く見ればスマートフォンのようで、誰がこんな悪戯を……とそいつの腕を引っ掴む。
 下手人は男だろうと想像していたのに、手首は思いのほか細かった。突然の明暗変化に視力が付いてこれていないので顔は分からないが、もしかして女子か、こいつ。



34:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:49:00.88 ID:wXoZOq/r0
「なにすん……おい?」

 思考に意識を削がれて気を抜いていると、今度は逆に俺の体が引っ張られた。突然のことなので踏ん張りがきかず、そのまま引きずられるように昇降口の端の方まで連れて行かれる。そこでどうにか足を止めると、ようやく犯人様の顔が拝めた。


35:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:49:36.59 ID:wXoZOq/r0
「逃げないようにって靴を隠しておいたんだけど、普通に遅刻しただけなんだね」
「…………」
「静かにしてね、フータロー。ここ、先生も来るから」
「……三玖」

以下略 AAS



36:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:50:16.43 ID:wXoZOq/r0
「おい」
「……すん」
「三玖」
「……すんすん」
「なぜ嗅ぐ」
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:51:05.33 ID:wXoZOq/r0
「この前約束したでしょ?」
「……この前とは?」
「フータローが二乃とイチャイチャしてた時」
「別にイチャイチャは……」
「じゃあ、二乃と何度もえっちしてた時」
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:51:35.29 ID:wXoZOq/r0
「私がなんて言ったか覚えてるよね?」
「……私ともしてって」
「そう。伝えたからにはフータローから言い出してくれるんだろうなーと思ってたのに、いつまで経っても知らんぷりなんだもん」
「ジョークの可能性もあるだろ……ちょっとは」
「ジョークに初めてを賭ける女の子なんていない」
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:52:29.35 ID:wXoZOq/r0
 いきなりの処女宣言に怯む。……ま、まあ、この歳ならなんら不思議なことではないし、俺だってちょっと前まで童貞だったわけだけど。
 しかし、どんな論法を使えば『私とセックスしろ』に繋がるのか毛頭分からない。そこは姉妹に先を越されたくなかった……みたいな、俺には理解しようもない感情でも絡んでいるのだろうか。



40:名無しNIPPER[saga]
2018/12/13(木) 20:52:56.50 ID:wXoZOq/r0
「二人っきりになれる時間も場所も全然見つからなくて、だからこそ、フータローは私のために今日一日をフリーにしてくれたのかと思ったのに」
「……だからメールを?」
「そう。こうなったらこっちから行こうって」



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