中野一花&二乃&三玖「そうだつさばいぶ」
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112:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 23:34:59.18 ID:LWDoGftt0
「なんでもないならもういいだろ。頼むから集中させてくれ」
「うん、そのつもり」
そう言っているのに、体のあちこちに視線を感じる。見定められている。
もしかすると、朝昼のドタバタの痕跡が残っていたりするのだろうか。染みとか、縒れとか。急いでばかりで身を繕うタイミングを設けられなかったから、下手をすれば背中あたりにでも決定的な証拠があるのかもしれない。
だからといって、気にする素振りを見せるわけにはいかなかった。だってそうすれば、当然彼女の注意もそちらに向いてしまうのだから。なので、たとえ何があろうとなかろうと、俺の意識は机上のテキストとノートだけに向けられていなければならない。そうしないことには、追及の手から逃れられない。
鉛筆を動かすスピードや眼球の運動にまで最大限の集中力を使う。自然さを装うというのは存外に難しいもので、常に同じ調子でいればいいというものでもない。演技で飯を食おうとしている人間の前でこんなことをするのには不安しかないが、死力を尽くせば何とかなる部分だってあるかもしれない。諦めるには、いささか早計。
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