不幸病にかかった。余命半年、初めて好きな人ができた。
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
44:プロタゴラス
2019/02/13(水) 11:33:54.76 ID:TJqwk32M0
風呂から出ると、僕は母に呼び止められた。普段はほとんど会話をしない相手からの突然の言葉に、僕は緊張を隠しきれなかった。

リビングルームには、古典的な様相を呈した大きな暖炉とそれを囲むように配置された石が壁際のスペースを使っていた。床に敷かれた絨毯は、僕がそれこそまだ無垢な少年時代だったときからここにあるものだ。裸足でそこに立つと、いつだって僕は子供時代を思い出せた。

その絨毯の向こう側にあるダイニングテーブルに、僕は見慣れない二人の男の影を見た。片方は不似合いなまでに大きなシルクハットを被った黒づくめ、もう一方は、白い手袋と杖が印象的な、ニコニコと笑う老紳士だ。シルクハットの男がそれを軽く持ち上げて僕に会釈をする。僕は睨み返した。

「誠治。お二人があなたの病気を治して下さるんですって」

母はいつものような、どこか高貴な人間にでもなったような顔をしている。二人の机の上にはコーヒーが用意されていたが、どちらも手をつけた様子はない。母の顔には少し苛立ちが見られた。


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