56: ◆TgtWYAjzAI[saga]
2019/02/06(水) 21:34:54.17 ID:ej8cSFHd0
世にも珍しい旅芸人を横目に、精霊術師はマスターに話しかけた。
精霊術師「マスター。ちょっといい? 仕事を探してるんだけど」
マスター「仕事ねえ。あんた……、魔法使いか? いや、薬師っぽいが……」
精霊術師「精霊術師」
マスター「ああっ! 精霊術師。そうか、確かにその恰好は。あー、悔しいねえ」
精霊術師「? どうして?」
マスター「職業柄だよ。これでも人の事情を見分けるのは得意なつもりだったんだが。今時珍しいね」
精霊術師「よく言われる。それより、なんかいい仕事ない? 路銀が付きそうで」
マスター「んん、精霊術師の仕事か。……あんた、この街のはずれに森があるのは知っているよな?」
精霊術師「ええ」
マスター「森の奥まったところに廃墟になった屋敷があるんだが、どうもそこで女の怨霊が出るって話なんだ」
マスター「森はこの街の薬師や狩り人の仕事場なんだが、気味が悪くて仕方がねえって言っている。解決してくれたら、俺が街の奴らに代わって謝礼を出すぜ?」
精霊術師「怨霊って、それは聖職者みたいに【祈祷】の使える人たちの専門だと思うけど」
マスター「こんな街に【祈祷】が使えるようなお偉いさんはいないよ。精霊術はそういうの専門じゃないのかい?」
精霊術師「精霊と怨霊は全くの別物」
マスター「そうなのか。どっちも霊ってつくのにな」
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