36:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:46:25.63 ID:kEcSo673O
初めて二人で入ったのは、事務所から五分のカフェだった。
森久保は俺のジャケットの腰辺りを掴んで、とぼとぼと付いてくる。その目玉には、溢れそうな程の涙を溜めていた。
よくこんな二人組が、警官に声を掛けられなかったものだ。俺はつい苦笑いをした。
案内された店内奥の席に着くと、俺は出来るだけ気楽に聞こえるように言う。
「いやぁ、誰にも止められずに来れて良かったな」
にこにこと笑い掛けると途端、せきを切ったように森久保はぼろぼろ泣き始めた。きっと、緊張が解けたのだろう。
慌ててポケットティッシュを手渡すと、それを右手に握りながら森久保は何か呟く。
「ご……ごめ……めいわ……」
彼女の言葉を止めないよう、俺は静かに待つ。声を引きつらせ、詰まらせながら彼女が発したのは、
「迷惑掛けて……ごめんなさい」
そんな、謝罪の言葉だった。
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