35:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:45:16.04 ID:kEcSo673O
あまりの驚きの連続に、俺は声を掠れさせながら訊ねる。
「も、森久保さん……。どうした、こんな所で」
そんな言葉の途中で気付く。
彼女は泣いていた。声を出さないよう必死に抑えながら、青ざめた表情をしている。細かく震える身体を守るように、自分の両肩を強く強く抱き締めていた。
何があったのかは、分からない。
しかしこんな状況の彼女に「今からでも良い、レッスンに行こう」だなんて……。
そんな酷なこと、俺には到底言えなかった。
泣き腫らした目に脅えの色を付けた彼女は、こちらを窺っている。
一瞬、躊躇ってから──。
「森久保、ばっくれようぜ。こっそり付いてこいよ」
共犯者の笑顔で、俺は彼女にそう囁いていた。
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